SagoのSoniaってどんなギター?

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こんにちは。

SagoのConcept Modelを深掘りするコーナー。
今回はギターモデル – Sonia – について解説していきたいと思います。

1.コンセプトは新しいストラトキャスターの提案

ストラトキャスターはジミ・ヘンドリックス氏やジェフ・ベック氏、またSagoのギターをご愛用頂いているSpitzの草野マサムネ氏や和楽器バンド、m:atureの桜村眞氏(和楽器バンド:町屋氏)がSagoのストラトタイプ、Classic Style-Sをご使用頂いており、数々のスターギタリストを生み出したギターの定番モデルです。

チャキッとした歯切れのいいトーン、高い演奏性、カスタマイズに優れているなど非常に万能なギターであるため、ギタリストなら1本は持っておきたいですね。

そしてSagoの視点で新たなストラトタイプギターとして開発したのが Sonia です。

万能性を継承しつつ、従来のストラトキャスターにはない新しいスタイルのストラトタイプギターとしてサウンド、チューニング精度、プレイアビリティを追求しました。

2.ストラトキャスターとはどこが違うのか?

では一般的なストラトキャスターとはどこが違うのか?書き出してみました↓

この中で特に注目するポイントとしてはセンターピックアップの位置です。

ブリッジ寄りにセンターピックアップを配置することで、ハリのあるセンターピックアップでのサウンド、あるいはシングルリアに近いサウンドが出せます。

またフロントピックアップとの距離が生まれることにより、ハーフトーンでは立体感のある独特な音色をお楽しみ頂けます。

そして激しくアーミングしても極力チューニングが狂わないよう、ヘッド周りは試行錯誤を繰り返し、現在のスタイルへと進化しました。

3.ストラトキャスターと共通しているところ

では逆にストラトキャスターと共通しているところは?コレも以下にまとめました↓

・フレット数(22フレット)
・648mmのロングスケール
・薄めのCシェイプネック
・pick up選択の5 way switch
・トレモロアーム

馴染みあるグリップシェイプにより、ストラトキャスターから持ち替えても違和感なく、同様の演奏性でプレーすることが出来ます。

また3つのピックアップを活用した合計5パターンのサウンドメイクにより、透明感のあるクリーンでのアルペジオやコードバッキング、クランチ気味にしてジャジーなリードを弾いたり、ディストーションによるブリッジミュートやハードなギターソロなどあらゆるジャンル、現場でもSonia1本で対応出来ますよ。

完成後にライブのリハーサルの現場へお届けして、そのまま本番のステージでお使い頂いたこともあり、まさに即戦力となるギターだと自信を持ってオススメさせて頂いております。

4.ボディ

ウッドマテリアル

木材はアルダーボディにメイプルネック、ローズ指板とスタンダードな選定ながら、トップグレードで良質なものをご用意。

そしてボディにはサーモ処理が施されています。

ビンテージライクなサウンド、独特のアコースティックなトーンが得られるサーモアルダー。
1-6弦を使ってコードを弾いて頂くと低音から高音までしっかり均一に鳴っているがよく分かります。

ネックをプリアンプと見立てて、メイプルネック+ローズ指板で芯の太いサウンドを作り、ボディをパワーアンプとしてワイドに増幅するイメージです。

なおオーダー頂く場合は上記の木材以外も選定可能です。

シェイプ

日本人合わせた小ぶりなボディ。少しスラントしたデザインにより、立って演奏しても座った状態で構えても安定感があり、体にフィットしやすいボディシェイプに設計しました。


また深めにカッタウェイを取ることにより、リードギターやソロを弾く際にハイポジションを広く使うことが出来ます。

まずストラップをつけた時にストラトキャスターと同等のフィット感を目指すため、ストラップピンの位置を合わせました。
くびれの位置を合わせることで、座ってギター構えても慣れ親しんだスタイルで演奏できます。

ピックアップ

最初に紹介した、Soniaの大きな特徴の一つであるセンターピックアップの位置。
リア寄りにマウントすることにより、センター単独で使用した場合、シングルリアのようなソリッドさが出せます。

またメロウなサウンドのフロントピックアップと距離が生まれることにより、独特な立体感のあるハーフトーンが楽しめます。

ピックアップ (フロント/センター)

Bellfrix-type2

Soniaのフロント/センターに採用されている”Bellfrix-type2″は艶のある倍音を多く含んだ、エナメルワイヤー特有の高音域が特徴的なピックアップです。

アルペジオでは1音1音の粒立ちが分かりやすく、コードストローク・カッティングは歯切れよく、まとまりあるサウンドが出せます。

また42AWGのplain enamel wireをわずかに増やしたターン数で巻く事により、S-S-Hのレイアウトであっても音量のばらつきがなく、バランスの取れた最適な出力を確保しています。

ピックアップ (リア)

Tashlly-type1

リアピックアップに採用されている”Tashlly-type1″はハムバッカーらしい太いサウンドとシングルコイルのようなレスポンスの速さが融合したハイブリッドなピックアップです。

42AWGのplain enamel wireをビンテージ系ハムバッカーよりもわずかに増やしたターン数で巻き、Alnico5マグネットと組み合わせる事で更に倍音豊かなでモダンなサウンドに仕上げています。

ブリッジ

Gotoh製のトレモロユニット、510T-FE1(2点スタッド)にSagoオリジナルのbrass blockを組み合わせています。

スチール製のブロックと比べるとミドルが際立ち、サスティーンの向上に貢献しています。

5.ネック

ペグ

ロックペグのGOTOH SG381-07-L6 H.A.P.M.により、ギター弦をしっかりロック。

そしてペグの直線的に配置するのではなく、図のように2,3,4,5弦のペグは中央の弦になるヘッドの内側へ寄せ、曲線的な配置にしております。
コレによりギター弦がブリッジからナットを通じてペグに到達するまで一直線になり、チューニング精度向上につながりました。

元々ストラトキャスターと同じくストリングスリテナーを装着していましたが、チューニングの精度を向上するため、取り外した設計に変更しました。

ペグ位置の調整やロックペグの採用によって、激しいアーミングを行なってもチューニングが狂いにくい構造になっています。

ルミンレイ ポジションマーク

Sonia以外のモデルとも共通となりますが、サイドポジションマークには蓄光素材のルミンレイを採用しております。

照明の光を吸収して、暗くなった時にサイドポジションマークが光ります。

ライブでの演出でステージ上が薄暗くなるシーンにおいても、ポジションが分かりやすく正確な演奏ができるようアシストしてくれます。
LEDのような強い光ではないため、目にも優しいのが嬉しいポイントです。

なお大きさは2mm、2.5mm、3mmの3種類、カラーはブルーとグリーンの2種類をご用意しております。
ポジションがより分かりやすい外周を黒くしたものもあります。ご指定がない限りはエレキギターはブルーの2mmを標準としております。

デザイン

Sagoの特徴的なコンターのついたヘッドデザイン。

Sagoギターモデル キルト杢

オーダーの際には、このコンターを使って
ボディのカラーとマッチングヘッドにしてコンター部分を塗り分けたり、ヘッドトップ材でネック材とコントラストを付けたりといったデザインのご依頼をいただきます。

Soniaに限らず弊社のギター・ベースは基本的にコンターを取り入れており、シンプルなヘッドの多い中でSagoのヘッドは遊び心が出せるデザインとなっています。

6.オーダー例

オカザワカズマさん (キュウソネコカミ)

Sonia – Okazawa Custom 。

ピックガードを延長して、
ジャズマスターのようなルックスが特徴。

・ノンサーモのアルダーボディ
・ハードメイプルネック
・本紫檀(インドローズ)指板
とスタンダードな木材のチョイスですが、
演奏、アイディアに対してレスポンスの速く
対応できる仕様となっています。

1.ピックアップ

フロントPUにはSeymour Duncan SHPR-1nを搭載し、P-90・シングル・ハムバッカーの3タイプのサウンドが扱えます。

トーン側のミニスイッチにより、フロントピックアップのモードを切り替えします。
またボリューム側のミニスイッチは5 way スイッチの機能をキャンセルし、フロントピックとリアピックアップ両方を使ったサウンドとなります。
リードギターなどで太いサウンドを必要とする場合に使えます。

なおセンターピックアップ、リアピックアップにはそれぞれL(x)PickupsのCustom Single coil、Custom Humbuckerを搭載しており、音の分離感を特にご評価頂いております。

2.キルスイッチ

ホーン側に取り付けられたキルスイッチにより、ボリュームを瞬時にオフにすることができます。

単に不要な音を鳴らさないだけでなく、スイッチング奏法によるエフェクト的な演奏にも使うことも出来ます。

3.ジョイント部のヒールカット

ジョイント部はジョイントプレートを使用せず、4点止めのボルトオンブッシュとしています。

ヒールカットを施すことにより、ハイフレットへのスムーズなアクセスを可能とし、リードギターの演奏時にストレスのない設計にしました。
完成後にライブ会場へお持ちしたところ、サウンド、ピッチの精度を特に気に入って頂き、リハーサルを終えてからそのまま本番でご使用頂きました。

現場での評価も高いとコメント頂いております。
エンターテイメント性溢れるキュウソネコカミの
ライブに必要な多彩なサウンドを追求した1本です。

アーティストページ

YOSHIHIROさん (exギルド)

YOSHIHIROさんには
3本Soniaをオーダー頂いております。

制作した時期やコンセプトにより
木材の選定や仕様が若干異なりますが
それぞれに違う個性を感じます。

<全モデル共通している部分>

1.LEDポジションマーク

ステージ上でプレーヤーを明るく照らす
LEDポジションマーク。

薄暗いシーンにおいても、視野性は抜群。
遠く離れた客席からもプレーヤーの存在を十分に感じることが出来ます。
Sonia以外のモデルでも搭載することが出来ますので、オーダーの際はお気軽にお問い合わせください。

2.ジョイント部にストラップピン

ストラップピンの位置をジョイント部に設置することで、リードギターでハイポジションを弾く際に、ギターをよりタテにして弾くことが出来ます。

またギターを構えた際、ストラップの表面が、客席側に向くため、ストラップと一体でギターをステージで魅せることができる利点もあります。

3.Vシェイプのグリップ

これまでのギターと同様の演奏感を実現するため、カスタムグリップによってネックをVシェイプに。

一番触れる時間の多いネックに関しては、アーティストの皆さまがこだわる重要なファクターであるため、従来お使いのギターのネックを元に、設計段階からしっかり詰めていきます。

またある程度木工が完了した状態でご本人にグリップチェックして頂いており、理想のネックシェイプに仕上がるようスタッフと一緒になって制作しています。

YOSHIHIROさんにはSoniaの他に
V型ギターの「Ark V」やトリプルネックの「SIGNAX」など、
Sagoの製品開発に色々とご協力頂いております。
またYOSHIHIROさんのアーティストページにて
Soniaのデモサウンドが視聴できますので、

ぜひチェックしてみてください↓

アーティストページ

7.まとめ

いかがでしたでしょうか。

Soniaは弊社のギターモデルとして最初に生まれたモデルであり、思い出深い一本となっています。

Fender社以外にも様々なメーカーから各々の解釈のもと、ストラトタイプのギターを発表しており、選択肢は広いと思いますが、ギター購入の際にSagoの「Sonia」もその選択肢としてご検討頂ければ幸いです。