こんにちは。
前回のPART2では木工、ハードウェアを中心にかなり深いところまで解説させて頂きました。
Ove特集ラストとなる今回のPART3では内側からOveを深掘りということで、サウンドに関するところ、そしてオーダー実例を紹介したいと思います。
1.サーモアルダーボディ
ビンテージ楽器のようなサウンド、独特のアコースティックな鳴りを持ち合わせたサーモアルダー。
ジャズベースで求められる広いレンジ感のあるサウンドを出力することができます。
※サーモウッドの特徴については下記のブログ記事で詳しく取り上げておりますので、ご覧ください↓
2.L(x) pickup / Pascumillerd4-type1(パスカミラード)
Sagoが自社で巻いているオリジナルのL(x) pickup。
※タップすると販売ページへ。
Pascumillerd4-type1はClassic Style-JやOveで標準採用しているモデルです。
42AWGのplain enamel wireを使用し、ターン数をわずかに増やして巻く事により、骨太で存在感のあるサウンドに。
必要としない音域はカットし、低音から高音までバランス良く出力させるで、ジャズベースらしい切れ味の良さと広いレンジ感を実現しています。
「アンサンブルの中で埋もれず、しっかりと抜ける。」
「存在感がありつつ、バンドサウンドに調和する。」
とSagoの楽器をお使いのアーティストやベーシストの方から評価頂いております。
3.Sagoオリジナルのプリアンプ
Oveに搭載されているTREBLE・BASSの2 BAND EQ。
サウンドキャラクターを変えずに低音域、高音域をブースト/カットし、シンプルな操作でサウンドバリエーションを拡大するツールとなっています。
ちなみに2 BAND EQがフラットの状態でもプリアンプを通すだけでパワー感のあるサウンドになります。
ウッドピックアップカバーはプラスチック性のカバーよりも若干厚みがあり、ベース弦とピックアップのポールピースとの間で若干距離が生まれます。それによりパワー不足とならないよう、プリアンプやL(x) pickupとの組み合わせでバランスの良いサウンドとなるよう設計しております。
またVOLUME PODを引っ張ることにより、プリアンプをバイパスしてパッシブ回路に切り替え出来ます。よりナチュラルなサウンドでプレーがしたい場合にワンタッチでパッシブの状態が呼び出せるので便利です。
オーディオライクにOveのサウンドキャラクターをそのまま生かした音作りが出来るプリアンプなので、アクティブ仕様のベースが苦手という方にも安心してお使い頂けます。
4.オーダー実例
4-1.Ove4 FL-Arie Custom-
VOLA & THE ORIENTAL MACHINEの有江さんにお使い頂いているフレットレス仕様のOve4。
ビンテージなトーンを演出するサーモウッドのネックはフレットレスのベースにも相性が良いです。
ジャコ・パストリアス氏のようなアタック感にするため、エポキシーコーティングを施しました。
また2Volume +Toneのパッシブ仕様にすることで、フレットレスによる丸いサウンドをナチュラルに出力。
プリアンプが通らない状態で、ウッドピックアップカバーをかぶせているため、ピックアップは通常のものより少しパワーを上げてクリアに仕上げました。
グリップシェイプを他のモデルと合わせることで、Oveに持ち替えた際にもスムーズに。
Sagoが自信をもって紹介したいアーティストモデルの1つです。
4-2. Ove BASS SIDE Custom ST-BLUE-BURST
三木楽器 アメリカ村 ANNEX ベース専門店 MIKI BASS SIDE様からよくオーダー頂いている仕様で、色鮮やかなブルーバストとポルテッドメイプルトップが目を引きます。
ノンサーモのアルダーボディとハードメイプル指板、そしてピックアップはSagoオリジナルのソープバータイプのハムバッカーをマウントし、分厚い低音とレスポンスの速さを兼ね揃えています。
コントロール類の配置やルミインレイサイドポジションマークなど、Oveの演奏性はそのままに、シングルコイルとはまた違ったサウンドキャラクターをお楽しみ頂ける1本です。
このようにピックアップをジャズベースタイプ以外のものでOveをオーダー頂くケースも多く、ご要望に合わせてカスタマイズ出来ます。
お近くへお立ち寄りの際はぜひ一度弾いてみて下さいね。
5.まとめ
以上となりますが、いかがでしょうか?
このOveというモデル、中立中世という意味を込めて名前をつけました。どんなジャンルにも柔軟に対応できる新たなジャズベースタイプの楽器として、少しでも皆さんにとって身近な存在になればと思います。
またPART1., PART2.を合わせて読んで頂くとよりOveについて理解を深めることができますので、ぜひご覧下さい。
PART1.
PART2.
Stem Ove4