オーダーで「理想のカラー」にするために注意すること

最終更新日:  公開日:



ギターやベースには様々な塗装があります。

豊富なカラーの種類があり、好みも人それぞれだからこそ
ギター・ベースを自分の理想の見た目にカスタムしたいという方は多いんじゃないでしょうか。

オーダーやリフィニッシュを失敗しないためにも
理想のカラーにするための注意点やコツについて紹介していきたいと思います。

カラーの種類

まずは一般的なカラーの種類を紹介していきます。

塗りつぶし

木目が見えなくなるまで塗装を重ねた塗装。
ソリッドカラーや、キラキラの細かい粒子の入ったメタリックカラーなどがあります。

シースルー

木目を透かしてカラーを吹き付ける塗装。
特徴的な木目やエキゾチックな杢を生かした塗装をすることができます。
木目が見えるということは木材自体の色味にも影響を受けるので、カラーを練る際にはそこにも注意しましょう。

グラデーション

徐々にカラーが変化していくような塗装。
単色の塗り重ねや、複数の色を組み合わせる方法があります。

バースト

外周を囲むように中心に向かって色が変化する塗装。
代表的なものはスリーサンバーストやハニーバーストなどですね。
木目を生かしたカラーですることが多い塗装です。

ナチュラル

カラーを吹かずに木材本来の見た目を生かした塗装。
木材の暖かみある雰囲気や渋さはやはり魅力的で、オーダーで人気が高いです。

印刷塗装

ボディに印刷を行います。
スプレーガンでは難しい細かなデザインやイラストを施すことができます。
トップやバックなどの平面部分への印刷が可能です。

弊社で行っている特徴的な塗装にラップ塗装というものがあります。

ラップ塗装

カスタムカーやバイクの塗装技法としても知られるラップ塗装。名前の通り、ラップフィルムを張り付けて模様を付けています。
Sagoでは一般的なラップ塗装以外にも模様の付け方や色の組み合わせなどに挑戦しています。

塗りつぶし

弊社ではよく「つぶし」と呼んでいます。

木目を塗りつぶしているので仕上がりの印象が、下の材に左右されません。

比較的見ることの多い塗装ですが、
その中でもペタッとして見える可愛いものや、キラッとして見えるカッコいいものなど、楽器によって雰囲気が変わって見えることがあると思います。

それらの塗装の違いについて紹介していくと

ソリッドカラー

単色での塗装です。シンプルでスタンダードですね。

メタリックカラー

メタリックとは細かいアルミの粒子が入った塗料です。
塗装の際にソリッドカラーにメタリックを混ぜて使用します。
光に反射して輝くので、角度によって表情が変わります。

パール塗装

光が透過や複雑に屈折し、見る角度によって色が変わります。
パールにもいくつか種類があり、下の画像は偏光パールを塗装しています。

ガラスフレーク塗装

ガラスの細かい破片をカラーの上から吹きつけていく塗装です。
光を屈折させて表面をキラキラと見せます。
黒や白など比較的どんなカラーにも使えますが、特に暗めのカラーに相性が良いと思います。

シースルー

木材を透かした塗装。

薄くカラーを重ねることで木目を生かした見た目にすることができます。
塗装の濃さによって、はっきり見えるようにしたり、さりげなく見せることも可能です。

グラデーションやバーストに関しても同じですが
シースルーのカラーでは木目だけでなく、木材の色味も透けて見えるので、そこを考慮して木材やカラーを選ぶ必要があります。

例えば、明るく発色の良いシースルーカラーにしたいという場合。

これは板の状態の、(左)キルトメイプルと(右)スポルテッドメイプルになります。

この2つの木材に同じ鮮やかな青色を吹くと、白っぽいキルトメイプルは綺麗に青が発色し、少し黄色みのあるスポルテッドメイプルは黄色が透けて緑っぽい仕上がりになります。

もちろんしたいカラーによって変わってくるんですが、木材は黄色いものが多いので、特に鮮やかな青やピンクは材がしっかりと白くないと綺麗に発色させることが難しいです。

発色の良いカラーにしたい場合は、フレイムメイプルやキルトメイプル、アッシュ、ポプラなどがおすすめです。

そして黄色みのある材を使った場合はこんな感じになります。

周りは青く内側に向けて緑にグラデーションになっているので、緑を吹いて青いバーストをかけているのかな?と思いそうですが、実は青のみで吹いています。

青緑黄色でグラデーションが大きく変わっていくカラーにしたい場合は、少し黄色みのある材がおすすめです。

逆に、暗い色や濃い色は木材も選べる幅は広がるので
自分のしたいカラーと、使用したい木材を考慮した塗装を練ってみてください。

木地着色

フレイムやキルトなどの杢をより目立たせる生地着色という塗装があります。

こちらは、黒色の染料で木地着色をしてからオレンジ色に黒のバーストを吹いています。

このように木材に染料を染みこませて削ると、杢の部分に色が入り、より立体感を出すことができます。
よく上から吹くカラーにリンクさせた色で木地着色をすることが多いですね。

目止め着色

導管の大きな材に行う着色で、塗料の余分な吸収を抑えたり、着色することで見た目のアクセントにすることもできます。

マホガニーやアッシュなどの導管の大きな木材は、目止めを行わないと塗料を吸い込み木目がなかなか埋まらず、重量も重くなってしまいます。
木材に近い色で目止めすれば目立たせないようにもできますし、アッシュのような豪快な木目のものにはカラーを入れてあげるとカッコよく仕上げることができます。

トップコート

キズ・衝撃、腐食や環境変化から木材を保護します。
トップコートにもいくつか種類がありそれぞれメリット・デメリットがあります。

ウレタングロス

透明度が高く強い光沢が特徴なので鮮やかなカラーに最適。温度や湿度の影響を受けにくく、耐久性が高いので木部の保護という点で優れています。

塗装面を磨き上げた艶のある仕上げをグロスと呼びます。

ウレタンマット

先ほどのウレタングロスと同じですが
吹きつけの艶なしの仕上がりになります。
反射がないので、同じカラーでもグロスより落ち着いた色味になります。

さらさらとした手触りなので、ネックで人気の高い塗装です。

シンフィルム

ハーフマットのウレタン塗料を使用した極薄塗装です。木材の鳴りや質感を活かしたまま、カラーやメタリックの塗装が可能です。また、完成時の重量も少し軽くなります。

ラッカー

ラッカー特有の深みのある艶、黄変やウェザーチェックなど経年変化を楽しむことが出来る塗料です。
揮発乾燥なので完成後も徐々に乾燥が進み、塗膜が薄くなっていきます。

ゴムに触れると塗装が溶けるなど、非常にデリケートな塗装でもあるので取り扱いに注意が必要です。

シンラッカー

ラッカー塗料を使用した極薄塗装です。
通常のラッカー塗装よりもウェザーチェックや剥がれなど生じやすく、短期間でヴィンテージのような使い込んだ風合いが出てきます。

このような極薄塗装では、導管に塗料が染みこみ凹凸ができるので、カラーとはまた違った木目を生かした塗装ができます。

オイルフィニッシュ

外観や手触り音質に木材そのものの質感を活かした仕上げです。
塗膜がないため、湿度の変化や傷・汚れに注意が必要ですが、オイルフィニッシュ特有のオープンな鳴りが魅力です。

オイルを塗る前の木地がそのまま仕上がりに出るので、さらに細かい傷の処理が必要になります。

木材やカラーを変更するほうが、見た目の変化は大きいですが、トップコートによってもかなり全体の雰囲気が変わります。
それ以外にも強度や塗膜の薄さ、手触りなど人それぞれ重視する部分が変わってくると思いますので、ぜひ参考にしてください。

Gallary

ウレタングロス

ウレタンフラット

ラッカー

シンラッカー

オイルフィニッシュ

生地着色をしているモデル