Ximera Arxi5のレビュー
最終更新日: 公開日: ベースモデル
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こんにちは。
今回はSonicとSagoのコラボブランドであるXimeraのベース、Arxi5のレビューを頂きましたので、ご紹介させて頂きます。
※スタンダードスペックにない仕様が一部含まれたCustom Modelのレビューです。
「一生ものの1本をオーダーしようと思い、様々な選択肢の中からXimeraのArxi5を選びました。
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完成するまでの工程も振り返りながら、気に入ったところをご紹介します。
1.究極のサウンド
Sonic & Sagoのコラボによる唯一無二のサウンド。
XimeraのArxiは非常にクリアで暖かみのあるミドルが特徴です。
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4弦ver.での爽快なサウンドが5弦の場合どうなるのか気になっていました。
5弦ベースはLow-B弦を追加することにより、
ネックの質量やパーツが増え、
鳴りにくいポイントがあり、
素直な鳴りの4弦パッシブと比べると
出音がクローズな傾向にあります。
5弦ベースは楽器としてのバランスが難しいのです。
完成したArix5を早速ベースアンプで鳴らしてみて安心しました。
4弦ver.の出音のまま、
5弦ベースを弾いている感覚。
5弦ベースを取り扱う上で
ストレスになるようなポイントは全くなく、
最終フレットである21フレットまでしっかり鳴ります。
このアタック感はリグナムバイタ指板の影響が大きいように思います。
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水に沈むほどの重量感があり、
硬質な特徴を持っているため、
このレスポンスの速さが生み出されているように思います。
そして独特の温かいサウンドを形成するJupiter Pickup。
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ベースをラインで扱う際、空気感を感じにくい故に、
アンプの出音と比べると冷たい印象がありますが、
Ximera Arxiはそんな心配無用です。
ジャズベースらしい切れ味に、
ほんのり粘ったニュアンスが加わることにより、
ビンテージなキャラクターを形成しています。
ボティーに採用のサーモアルダーの恩恵により、
低音から高音までしっかり鳴るのもいいポイント。
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サーモ処理を行うことで、
木材が均一な質感になるので、
5弦ベースのように広い帯域を
取り扱うのに相性が良いでしょう。
またSonicオリジナルのセパレートブリッジ。
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ブリッジのサドルが乗るプレートの材質を
変えることで音色が変わります。
本機にはブラスを選定。
標準のスチールに比べ発音が派手になり、
ロングサスティーンが得られます。
この他にウッディな鳴りのエボニーを
選ぶことができ、プレートによって
音のニュアンスを変えることができます。
サウンドを見直したい時に、選択肢が
用意されているのはいいポイントですよね。
まさにネオビンテージ。
一言では語れない不思議なサウンドが、凄く魅力的です。
2.コントロール部
Sonic:竹田さんの技が光る、Arxi5の心臓部。
まず2 Volume & 1 Toneと
ジャズベースと同じ構成なので、
ジャズベースを普段使っている
プレーヤーにも馴染みやすいでしょう。
基本はパッシブで、そこにプリアンプが
補正的な意味合いで位置付けされていると
イメージします。
なおトーンを引っ張るとパッシブに切り替えできます。
プリアンプはローミッド(300Hz)・
ハイミッド(1kHz)というユニークな構成。
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特にハイミッドは美味しいポイントで、
ブーストするとArxiのサウンドを
より華やかにしてくれます。
ノイズキャンセル用のダミーコイルを搭載し、
片側のピックアップで鳴らした際に
ノイズがほぼ出ません。
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フロントのみにしてプレシジョンベースのような
ニュアンスを出したい時もノイズに悩まず、
扱いやすいです。
そしてSonicのフルアップボリュームポット・
フルアップトーンポットが搭載。
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これらはフルテンの状態だと、抵抗が掛からず、
活気のあるサウンドが得られます。
クリアなサウンドを形成する一つのファクターです。
フルテン時と絞った時と音色差を利用して、
基本は9ぐらいに設定して、
ベースがリードする時にフルテンにするなど、
手元で音色アプローチができます。
なおスタッグノブの隣にあるのはターボスイッチです。
こちらはArxiのスタンダードスペックにはありませんが、
Stem Ove4をヒントに特別につけて頂きました。
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スイッチが下の状態がパラレル、
ジャズベースと同じ配列です。
上にするとシリーズとなり、擬似的にハムサウンドに。
シリーズにすると中低音がプッシュされます。
ラウドなジャンルでLow-B弦の開放弦を弾く際に、
頼もしい重低音を出すことが出来ます。
スイッチはSeed Kotetsuと同じタイプのものを使用。
切り替えしやすいです。
3.ネック
4弦ベースから持ち替えても違和感のない
Cシェイプのネックは、握り心地が良く、
移動もスムーズです。
奏法、ポジション問わず、弾きやすいのは
ローポジションは丸みがあり、
ハイポジションに向かうにつれて
曲線が緩やかになるコンパウンドラディアスが
施された指板にあります。
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チョーキングなどでフレットを広く
使いやすいようにフレットも磨かれていて、
丁寧に仕上がっているのが分かります。
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サイドポジションにはルミンレイを搭載。
Ximeraはデザインとして指板面に
ポジションマークをつけていないため、
最初は戸惑うこともありましたが、
ルミンレイにより暗闇でも
しっかりアシストしてくれます。
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これはライブで非常に強い味方です。
Gotoh性の軽量ペグ、
ヘッド落ちとは無縁でチューニングの
安定性もいいですね。
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なおネックはチタントラスロッドと
サポートロッドが採用されています。
ネックの反り対しても強いので頼もしいです。
Sonic & Sagoのスタッフの皆さんで
丁寧に磨き上げた渾身のネック。
ずっと弾いていたいぐらい心地よいです。
4.アイディアが凝縮されたルックス
ゴージャスなルックスもXimeraの大きなポイント。
このブルーのグラデーション、鮮やかです。
ラップの貼り方、色の重ね方、着色後の
削り方によって、同じカラーでも毎回デザインが
微妙に変わるラップ塗装は
唯一無二を追求する上で、
持ってこいの選択肢ではないでしょうか?
またピックアップカバーが木製(メイプル)
ということもあり、通常モデルは
黒く塗りつぶししているところ、
特別にラップ塗装して頂きました。
ピックアップカバーとボディを
一緒に塗装することで、
ボディトップが一体のデザインに。
そしてこちらはSagoさんからのアイディア。
ボディのデザインとリンクするよう、
ピックアップカバーもナチュラルバインディングに。
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サイドから見てもデザインに統一感があって、
テンションが上がりますね!
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ボディバックはUNISON SQUARE GARDENの
田淵さんのSTYLE J TABUCHI customのように、
サーモアルダーの色味を生かしたシースルーブラウン。
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黒と見せかけて、よく見るとチョコレートの
ような色味もお気に入りポイントです。
徹底的にこだわったデザインによって
ステージでしっかり目立ちます。
このデザイン以外にもXimeraでは
豪華に彩られたモデルがたくさんあるので、
オーダーの際には参考になるのではないでしょうか?
5.まとめ
5弦ベースは昔に比べるとすっかり身近になり、
手に入れやすい時代になってきました。
しかし4弦でパッシブタイプのベースを
初めに手にすることの多いベーシストにとっては
まだ特殊な存在かもしれません。
それは単に弦が一本増えることによる
演奏の問題だけではなく、
5弦ベース独特の鳴りや
ベースを構えた時のフィット感などが、
4弦ベースと異なるからです。
Ximera Arxi5はそうした5弦ベースで
悩むであろうポイントを見事クリアし、
サウンド、演奏性、ルックスにおいて、
非常に高いポテンシャルを持っています。
昨今の音楽シーンではベーシストが
取り扱う音域も広く、5弦ベースが1本あると
有効なケースが多いので、
これから5弦ベースをプレイしたい方、
本格的な5弦をお探しの方に
Ximera Arxi5をぜひオススメしたいです。