Seed Dullahanを初心者向けに解説
こんにちは、Sago NMG工房です。
Seedブランドより新しくSeed Dullahanが誕生しました!
女性ベーシスト、MINAさんのアーティストモデル: Sago DullahanをSeed ver.としてこの度、販売が決定しました!
ブログで詳しく解説します。
1.Seedとは?
アーティストモデルをより身近に、これからギター・ベースを始める「種」としてSeedブランドが誕生しました。
アーティストにて設計監修の元、協力工場で量産することで、お求めになりやすい価格帯を実現しています。
以前までは生産国は中国でしたが、今回からインドネシアにて製造しています。
入荷後Sago工房にて、1本ずつ検品、調整を行なっており、初めてギター・ベースを手にする方に安心して演奏して頂けます。
近年はアーティストご本人が入荷日にお越し頂き、最終のプレイアビリティチェックを行うのが恒例行事にもなっています。
DullahanはSagoのConcept Model:Defiを元にMINAさんの好みに合わせて設計したアーティストモデル。
MINAさんは長年Sagoのベースをご愛用しており、Sago Dullahanは彼女のアイコン的な存在のベースです。
深緑にゴールドパーツを組み合わせた渋いルックス、そしてボディに描かれたハートが印象的ですよね!
このハートはMINAさんの原画を元に、Sago ver.ではカッティングシートを切り出し、塗装しているのですがSeed Dullahanでも同様にこのデザインを忠実に再現しました。
2.Dullahanとは?
Dullahanは SagoのConcept Model: Defiを元に、MINAさん用に設計したモデルです。
まずDefiはピックガードがないのに対して、
Dullahanはピックガードを装着しています。
ピックガードを装着することでカジュアルな印象に。
次にボディとネックを結合するジョイント部、Defiはスルーネックなのに対し、
Dullahanは4点ボルトオン。
ボルトオンジョイントではボディとネックを分解することができるため、メンテナンスが容易に。
またスルーネックはネック材をボディエンドまで延長していることから、サスティーンの長さが大きな特徴なのですが、ボルトオンではサスティーンはスルーネックに及ばないものの、ボルトオンならではのアタックがしっかりした音になります。
MINAさんはスラップで速いフレーズを演奏することが多いので、ボルトオンであることの方が有効です。
またナットからブリッジまでの長さを示すスケールですが、Defiは少し短い33inchに対して、
Dullahanはエレキベースで標準的な34inch(864mmのロングスケール)です。
そしてジャックの位置はDefiがサイドに対して、Dullahanはボディトップにあります。
なおヘッドのデザインはDefiの5弦、6弦モデルでLow-Bのテンションを稼ぐためのものなのですが、このルックスを気に入っていただき、Dullahanでも採用しています。
3.木材
ギター・ベースにおける木材選びはサウンドキャラクターの基本を形成します。
理想のサウンドを実現するため、木材選びは慎重に行う必要があります。
基本的にはSago Dullahanと同じ構成で、ボディはアルダー
素直でベースに必要な低音がしっかり鳴ります。
ネックと指板はメイプルです。
ネックのメイプルは3P(スリーププライ)になっており、木材を貼り合わせています。
ヘッドに角度をつけており、1ピースのネックでは少々強度に不安が残るため、3P構造にし、ネックの剛性を高めています。
ちなみにSago ver.ではメイプルの間にウォルナットを挟んだ5Pにし、強度のアップはもちろん、デザインとしてもかっこいいですよね!
またネックはジャズベースと同様の細身のCシェイプのため、ベースをこれから始める方にも演奏しやすいです。
メイプルの指板は音が明るく、ベースラインが見えやすいということでお選び頂くことの多いため、定番といえます。
指板面にポジションマークがないのもMINAさんのこだわりです。
4.ピックアップ
ピックアップとはベース弦の振動を拾うマイクのようなパーツです。
ピックアップのスタイルや線材、ポールピースの素材や巻き方によっても音のキャラクターが大きく変わるため、各楽器メーカーがこだわるパーツの一つです。
楽器の完成後、サウンドの見直しを行う際には、初めにピックアップ交換が上がるほどサウンドキャラクターに大きく影響します。
DullahanのピックアップはPJタイプと言って、フロントにPピックアップ(L(x) Lite P4)とリアにはJピックアップ(L(x) Lite JB4)の2基をマウント。
Pピックアップはプレシジョンベースタイプのように低音が厚く、アンサンブルを支えるベースらしいサウンド。
Jピックアップはジャズベースタイプのように立ち上がりが速く、ベースのフレーズが分かりやすいスッキリとしたサウンドです。
PとJピックアップのミックスサウンドは二つのいいところが合わさり、太く、立ち上がりもいいサウンドに。
ハイフレットへスライドした時のPJ独特のうねりもDullahanのサウンドの特徴です。
1本で幅広い音作りを可能にします。
ピックアップについても、Sago ver.のレシピを元に再現しております。
5.コントロール
コントロールはベース本体の音量を調整するMaster、
Volume2つのピックアップの音量バランスを決めるBalancer、
高音域の音質を調整するTone、
そして2つのピックアップの配線の仕方を変更するSeries / Parallel Switch
で構成されています。
ジャズベースでは2ボリューム仕様となっており、全体の音量をコントロールするには2つのボリュームを同時に操作する必要があり、任意の音量バランスを保ったまま音量コントロールするのが少々難しいです。
DullahanではBalancerでお好みのピックアップバランスにし、Master Volumeで全体の音量調整ができるため、コントロールがしやすいです。
Series / Parallel Switchでは2つのピックアップを直列 / 並列に切り替えることができます。
Seriesは2つのピックアップがハムバッカーのような状態となり、Parallelに比べると音量が少し上がるため、ベースソロでSeriesに切り替えるなどの用途が挙げられますが、もう少し詳しく書きます。
ParallelからSeriesに切り替えると、低音が強くなり、その分高音は少しなだらかになります。
試奏したスタッフの印象はParallel時のPJサウンドはジャズベースのように音の立ち上がりが速く、一方でSeriesではプレシジョンベースの要素が強まり、低音の厚みや音が太さが際立ったように感じました。
そのためピック弾きでアタックの際立ったところを抑えつつ、しっかりと低音を効かせたい場合などにはSeriesがオススメです。
音量が上がるだけではなく、音のキャラクターが変わります。
PJタイプでSeries / Parallel Switchが付いていることは珍しく、新たなサウンドを追求できるのではないでしょうか。
なお肝心の音についてはサウンドアーカイブに試奏動画を上げております。
ピックアップのポジションやSeries / Parallel Switchによる音の違いをぜひチェックしてみてください!
※価格を抑える、と言った意味でもSago ver.で搭載しているTrebre / Bassの 2 Band EQは搭載していません。
MINAさんも普段はパッシブで演奏されているため、Seed Dullahanも同じくパッシブ仕様です。
6.まとめ
Sagoのカスタムオーダーでも人気のDullahan。
小ぶりで華奢なボディライン、その分総重量も軽めになっておりますので、女性や小柄な方にとっても取り回ししやすいです。
ご本人と全くの同仕様でオーダー頂いたり、
カラーやピックアップを変えたり、
5弦ver.にしたりと
MINAさんを通じてこのDullahanというモデルが広まっています!
Dullahanが誕生した経緯やSeed ver.発売に向けた意気込みなど、YouTubeでたくさん話して頂きましたので、ぜひご覧ください!
また今後工房での入荷の様子や、販売イベントなどについても情報発信をしていくので、SNSのフォローをぜひともよろしくお願いします!
「Sago」は2004年に創立した、ギターメーカーです。
エレキギター・ベースを基本に、スタンダードなモデルや弊社プロデュースのモデル、フルオーダーまで幅広く製作をしています。
豊富なアイデアと技術で、お客様の理想の一本を製作させていただきます。