エイジド加工始めました!
最終更新日: 公開日: オーダーメイド参考
こんにちは、Sago NMG工房です。
新しくスタートしたエイジド加工。
フェンダーカスタムショップでエイジド加工の経験があるエル氏がSagoに仲間入りしたことで、この渋いデザインをSagoでも実現できるようになりました!
このエイジド加工の魅力やこだわっているポイントをBlogで紹介します。
1.エイジド加工とは?
長年演奏することで味わいのあるキズや塗装のはげた感じがカッコいいビンテージギター。
この経年変化によるデザインを新しく完成する楽器で当初から味わえるのがエイジド(レリック風)加工です。

ピッキングで擦れたり、エルボーコンターやウエストコンターが何度も身体に当たることで塗装が剥がれた感じをギター職人のセンスで再現します。
ボディやネック以外にもピックガードを色褪せたり、ハードウェアも金属をくすませたり、すでに使い込んだような仕上がりにできます。
2.塗装
作業風景はヒミツなのですが、やっていることが分かるよう、流れを書いていきます。
こちらのマルチレイヤーのSoniaの場合

下地にラップ塗装(Volcano)を行います。

ラップ塗装では初めに下地にウレタンを吹き、カラー(Volcanoの場合、赤・黄など)を吹き、くしゃくしゃにしたラップを貼って、もう一度メタリックでカラー(赤・黄)を吹いた後、ウレタンでラップの凹凸を埋めます。
ラップの貼り方やラップによる凹凸の削り方によって、ランダムにデザインが現れます。
ここからこの上面のカラーであるホワイトを吹き、クリアラッカー。
さらに焼けを表現するためビンテージアンバーを吹き、最後にクリアラッカー。

このようにマルチレイヤーは塗膜にかなり厚みがあり、塗装で重たくなります。
3.ウェザーチェック
経年変化による塗料の伸縮によって生まれるランダムなラッカーの割れ。

バーナーで温め、2回に分けて吹いたクリアラッカーが分解されます。その後冷却スプレーすると急激な硬直により、このバキバキとした割れが発生します。
Soniaのネック裏はバーナーせず、冷却スプレーのみを使い、ほどほどの割れ具合に。

一方、ヘッド裏はデザインとしてしっかりと割れを入れています。

大きな冷蔵庫でチェッキングを行うところもあるそうです。
またウェザーチェックはこのように割れが透明なのですが、こちらのSoniaでは割れが遠めからでも分かるよう、あえて黒を割れに染み込ませます。

下地がウレタンとラッカーとでもチェッキングに違いが出るので、彼の経験を元にSagoでも研究を続けていきます。
4.エイジド加工
最も職人のセンスが現れるエイジド加工。
ナイフを使い、塗装剥げやキズをデザインとしてつけていきます。
エルボーコンダーや打痕で黒みがかったところは、木面が露出し、使い込んだような質感になるよう、演出しています。

ピックガードはホワイト3Pをボディと同じくビンテージアンバーを吹いて、くすみを出しています。
ハードウェアはバレル研磨と言って、こちらの樽状の機械にメディアと呼ばれる研磨石がある中にハードウェアを入れます。

メディアと混ざり合い、磨くことで金属がくすみ、ビンテージギターのような風合いの仕上がりになります。

また仕上げとして、通常の新品の楽器の光沢をあえて消すためにスポンジでボディやピックガードを磨いていきます。

なおエイジド加工にはレベルがあり、それによって価格が変わります。
詳細は決まり次第、更新致します。
5.オーダーでご相談頂く際
エイジド加工はウェザーチェックや意図的に入れるキズや塗装剥げなど、偶然性のあるデザインです。

可能な限りオーダーでのリクエストにお応えするため、写真でこんな感じにして欲しいとお伝えください。
エイジド加工以外の塗装と同様、オーダー頂く皆さんのアイディアを大切にして、かっこいいギターを作りましょう!
6.注意点
お手持ちのギター・ベースをお預かりして、塗装をするリフィニッシュについて、エイジド加工を行う際は、元々のカラーを剥がして、塗り直ししてからエイジド加工を行います。

大きな打痕やキズのある楽器や木目の見えないソリッドのカラーの場合、塗装を剥がしてから木材の状態によっては、希望通りのカラーや塗装に仕上げることが難しい場合があります。
その際は写真などで木材の状態を確認していただき、ご相談させていただきながら作業を進めます。
金額等詳しくはこちらをご覧ください。
7.まとめ
Sagoでは基本概念として、新品のギターはピカピカでお届けしたい考えがあり、これまでは受付していなかったのですが、ギターの本場、フェンダーカスタムショップで勤務経験のあるエル氏によってカッコいいデザインとしてサービスができるため、満を持してエイジド加工をスタートします!
エイジド加工をしたいと言っていた皆さん、今がチャンスです。
新しく仲間入りしたエル氏のアイディアも踏まえ、今後もSagoは新しいギター・ベース作りをおこなっていきますおこなっていきます!

「Sago」は2004年に創立した、ギターメーカーです。
エレキギター・ベースを基本に、スタンダードなモデルや弊社プロデュースのモデル、フルオーダーまで幅広く製作をしています。
豊富なアイデアと技術で、お客様の理想の一本を製作させていただきます。