5弦ベースのオーダーに関して

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こんにちは。

ベースプレーヤーで5弦ベースを弾く方、
一昔前に比べると随分と増えたのではないでしょうか?

Sagoでベースをオーダー頂く際、
4弦と5弦の割合は6:4くらいの比率で
5弦ベースをオーダー頂いています。

しかし5弦ベースは4弦ベースに比べ、
弦が1本増えるのですが、
それによりネックが幅広くなったり、
5弦ベース用のパーツ装着により、
重量が増すことで、4弦ベースとは
鳴りが変わり、楽器としての
バランスが難しくなります。

今回のSago Blogではオーダー時の打合せで
多くお伺いする5弦ベースに関しての
悩みや要望に対して、
Sagoではどのように対応しているのか解説します。

1.5弦と4〜1弦の鳴りが違う。

5弦ベースで一番懸念されるポイント。
Low-B弦は太く、4〜1弦に比べると
弦のテンションがあまり高くありません。

弦のテンションだけが全ての要因ではありませんが、
例えば4弦開放弦のEと5弦5フレットのEでは、
音程は同じでもサウンドキャラクターが
けっこう違います。

それを利用してフレージングすることは
もちろん考えられるのですが、
スケールや馴染みのベースラインを弾いていて、
5弦と4〜1弦の音色差があまりにも大きいのは
考えものです。

Sagoではこうした課題を解決するための
アイディアがあります。

まずRidill、DefiではLow-B弦の
ペグを一段落としています。

【Ridill】

ペグを1段落とし込むことでLow-B弦と
その他の弦のテンション差を低減
しています。

【Defi】

次にファンドフレットを採用すれば、
各弦に対して適切な弦のテンションとなり、
クリアかつ均一に鳴らすことができます。

Ikebe Original Defi Fanned Fret
5弦モデルであれば
1弦が32inchのショートスケール
5弦が35inchのスーパーロングスケールです。

ちなみに2~4弦は、
1弦の32inchから0.75inchずつプラスされ、
2弦が32.75inch、3弦が33.5inch、
4弦が34.25inchです。

さらにインパクト抜群の36inchを採用すれば、
Low-B弦のテンションがかなり稼げますよ。

2.ベース本体が重い

こちらも5弦ベースでよくあるご相談内容です。

木材や塗装を何にするかで重量が
変わってくるのですが、
5弦ベースはネックが太くなり、
パーツ類も増えることから重量感があります。

SagoにはOveというジャズベースを
進化させたモデルがあります。

重量は4kg以下で、
シンフィルムにすればより軽量に。

また5弦ベースはネックの質量が増えることから
重量がヘッド側に寄る傾向にあります。

Oveに限らず、
SagoのConcept Modelでは
座ってベースを構えた際、
ストラップをつけた際にも、
バランスがよくなるよう設計しております。

なおRidillはピックアップカバーとボディ下部の
くびれの距離感が4弦、5弦、6弦モデルの
どのモデルになった場合でも一定にするため、
ボディの設計をモデルごとに微妙に変えています。

3.デッドポイント

デッドポイントとは、
ネックのフレットポジションによって
鳴りにくいところを指します。

ピッキング後に音が伸びなかったり、
そのフレットポジションで演奏すると
他のポジションに比べて
音量が小さいことが挙げられます。

オープンな鳴りの4弦ベースに比べ、
5弦ベースはネックの質量が多く、
パーツ類が増えることもあって、
タイトな鳴りになる傾向があります。

4弦ベースの鳴りを想像して、
5弦ベースを手にした際、
音のギャップに悩むことは
5弦ベースあるあるではないでしょうか?

Sagoではトップクオリティの木材
仕入れております。

デッドポイントが発生しないよう、
特別に作業をしている訳ではありませんが、
ネックを作る=楽器を作る、
と言っても過言ではありませんので、
ネックは1本1本丁寧にネックを
お作りさせて頂いております。

Sagoベース Defi キルトメイプル

Sagoの5弦ベースに持ち替えてから、
そうした悩みが解消され、4弦ベースから持ち替えた際、
音のギャップや違和感で悩むことがなくなった
オーダー頂いたからコメントを頂いてますよ。

4.ピックアップ

Sagoではピックアップ(以下PU)も自社開発し、
工房で巻いていますので、
5弦ベース用のピックアップも取り揃えています。

定番のJタイプはもちろん

Pタイプ

MMタイプ

SS PU

Sagoベース Defi キルトメイプル

そして最近Sagoでオーダー頂きはじめている
ポールピースの位置をカスタムしたEP PUなど

5弦ベースにおいても選択肢はたくさんあります。

EP PUはファンドフレットのように
各弦に適したポールピースの配置で
PUを巻いているので、バランス良く鳴りますよ。

5.コントロール

5弦ベース=アクティブタイプ
ベースであることが多い印象です。

Low-B弦のレンジの低い重低音を鳴らしたり、
低音楽器に必要なアタックを補うため
高音を付加するのに、ベース本体に
プリアンプを搭載し調整することを
目的にしています。

ただパッシブタイプの4弦ベースを
普段使っているプレーヤーからすると、
Low-B弦が増えるだけでも大変なのに、
プリアンプで音をコントロールする
ところまで考えると、大変ですよね?

同じベースなのに、
5弦ベースを構えた途端、
まるで別の楽器を演奏しているような感覚。

Sagoではプリアンプは
Sagoオリジナルの
アクティブサーキット
を標準採用
しています。

オーディオライクに音をコントロールできるため、
元のサウンドキャラクターを大きく変えることなく、
ブラッシュアップできます。

シンプルに操作できるOve
Low, Highの2 Band EQであれば、
アクティブのベースに慣れていない方でも
簡単に操作できますよ。

またより細かく微調整が可能な
Prime Edge, Ridill、Defiに搭載の
3 Band EQ & Mid Freq.
(中音の帯域ポイントコントロール)についても、
これらのモデルに限らず
カスタムすることができます。

なおプリアンプはトーンノブを引っ張ったり、
ミニスイッチをつけることでバイパスすることができ、
パッシブの5弦ベースとしても演奏できます。

6.カラー・デザイン

5弦ベースだけに限ったことではありませんが、
自分好みのカラーやデザインを追求していくと、
既製品から選ぶのには限界があります。
特に4弦ベースに比べると選択肢は限定的といえます。

仮にルックスが自分にマッチするものだったとしても
肝心のサウンドやネックのフィット感、
コントロールなどのトータルで
理想の1本を探すのは難しいことです。

Sagoのカスタムオーダーであれば、
お好みのカラーやデザインをご指定頂き、
オーダーできます。

ギャラリーに多数制作実績がありますし、
イメージしている楽器や写真から進めることができますよ。

7.試奏動画

Sago Ove5をピック弾き、指弾き、
スラップで演奏しています。

こちらのOve5は、ボディ材にライトアッシュ、
指板材にメイプルを採用しており、
この2点以外はレギュラースペックと同じです。
参考にぜひご覧ください。 

また実験中の和材を使った
Style J5がこちら。

樫の木をネック材として活用しており、
その他は標準スペックです。

パッシブ仕様としており、
樫の木の鳴りも含めて
ぜひチェックしてみてください!

8.まとめ

5弦ベースというテーマで
Sagoではどんなことができるか
取り上げてきましたが、
たくさんありましたね。

5弦ベースを新たに探している方、
普段は4弦ベースだけど、
5弦ベースにチャレンジしてみたい
という方に今回の記事が参考になれば幸いです。

最後までご覧頂き、ありがとうございました!