和材のギター・ベース指板材編

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こんにちは、Sago NMG工房です。

ギターやベースの木材で指板材はどのように選んでいますか?

指板材にはフレットを打ったり、ネックの反りに影響するなど、耐久性が必要です。
また弦が直接指板に当たり、弦振動を直接受け止めることから、サウンドキャラクターにも影響があります。
そして色味や杢が特徴的なものも多く、装飾の観点から選ぶケースもあります。

今回は和材で指板材としてお選び頂ける代表的な木材を紹介します。

板谷楓

日本で採れるメイプルで、特徴は洋材のハードメイプルと同じく硬めです。
板谷楓の方が僅かにマイルドな印象です。

ネック材の時と同様に素直で、明るいサウンドキャラクターです。

杢も綺麗で、和材の中ではかなり木肌が白いためシースルーの塗装をするなど指板をあえてカラーリングした仕上がりにすることができます。

樫は昔から工具の柄の部分など強度がいる部分に使われてきた材。
和材の中でも硬さと粘りがあり、これまで和材を使ったモデルの中でも指板材としてはもちろんネック材でも実績が多数あります。

木工している感じとしてメイプルと同じくらいの強度があり、安定性の面からも指板材にも適しています。
指板材に使う樫はトラフ杢が入ったものを使うことが多く、和材独特の渋さを感じます。

Novelbright 沖聡次郎さんのモデル:Shinra 風神・雷神では両方に樫指板を採用しており、

和材は柔らかいイメージがありますが、
ギターに必要なアタックをしっかりと形成しています。

またNAMM SHOW 2023モデルとして制作したOve5 ALL和材 Customでは赤みがかった赤樫を採用。
品のあるサウンドキャラクターでありながら、スラップやピック弾きをした時の立ち上がりの速さはとても心地よいです。

Sagoで独自に開発しているピックアップなどとも相性がよく、指板用に和材を選ぶ際の選択肢に入れてほしい木材です。

黒柿

実のなる柿の木で、基本的には白い木材ですが、水墨画のようなランダムな黒い模様が特徴です。

黒柿は硬質でしっかりと詰まった木材です。
同じカキノキ科のエボニーほど硬い印象ではありません。

なおこのルックスを生かして、ボディトップ、ピックガードなど、装飾として取り入れて頂くことも多く、特徴的なルックスでありながら、汎用性があります。

まとめ

今回取り上げた3種類以外にも柞など、指板材で和材を取り入れたモデルがいくつかあるのですが、供給や材の安定性などを考慮して選びました。

実際に木材を選ぶ際にはぜひ工房へお越し頂き、手にとって選んで頂けたらと思っております。

なおネック材で和材を比較した動画、ブログもありますので、あわせてチェックしてみて下さい。

「Sago」は2004年に創立した、ギターメーカーです。
エレキギター・ベースを基本に、スタンダードなモデルや弊社プロデュースのモデル、フルオーダーまで幅広く製作をしています。
豊富なアイデアと技術で、お客様の理想の一本を製作させていただきます。

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