【オーダー例】オーダーメイドギターが出来るまで
最終更新日: 公開日: 製作について
こんにちは！
皆さんSagoのページにある「木材ギャラリー」を知ってますか？
木材ギャラリーでは、弊社の木材倉庫で保管している木材や珍しい木材を参考資料として掲載しています。
加工のされていないまんま板の状態から、どう自分の理想の楽器にしていくのか想像するのはワクワクが止まりませんよね。
ですが実際にオーダーするとなると本当に想像通りになるんだろうか？と不安になることも多いと思います。
今回は少しでも皆さんの参考になれるように、
木材ギャラリーよりも詳しく「木材の状態」→「完成時」をピックアップしたので一緒に見ていきましょう！
キルトメイプル
トップ材で人気の高い木材といえばキルトメイプル。
こちらのClassic Style-S Customの木材の状態はこちら
メイプルは生地が比較的白いのでカラーの選択肢が多く綺麗に発色する材です。
このキルトメイプルも白くてすごく綺麗なチューブのキルトが出ていますね。
こちらはボディ材のアッシュ2P。
アッシュも木地が白く、導管の大きな木目が特徴的なので、シースルーのカラーに人気の木材です。
ネックはライトサーモメイプル。指板にはシャム柿(ジリコテ)を使用。
フレイム杢の入ったサーモメイプルなので塗装後が楽しみです。
今回の仕様はコンターの部分までトップ材が貼られている「ドロップトップ」なので、トップのキルトメイプルを曲げながら全面に貼っています。
ピックアップやコントロールのザグリ、外周の丸みをつけるとかなりギターらしさが出てきました。
無塗装でもキルトがバッチリ見えていてこれはかなりいい杢のキルトですね…。
ここから木地研摩を行い、塗装へと入っていきます。
ちょっと工程が進んでいるんですが、
ボディの研摩後「木地着色」を行いました。
今回は黒の染料です。杢がよりはっきりと目立っていますね。
木地着色後、下地の塗装→研摩を繰り返し、表面を整えます。
そしていよいよカラーへ！
青のシースルーバーストを吹いていきます。
いかがでしょうか？
青は生地の影響が強く出るので難しいカラーなんですが、キルト杢をつぶすことなく青がしっかり発色されています。
黒の木地着色をしたことによって、締まったカッコいい印象に仕上がっていますね。
ピックガードはスポルテッドメイプルで製作しています。
トップコートを吹いて研摩→バフ当てをしたボディに、先ほどのピックガードやパーツを組み込んでいきます。
↓ ↓ ↓
[ 木材 ]
ボディ：ライト アッシュ
トップ：キルト メイプル
ネック：フレイム ライトサーモ メイプル
指板 ：ジリコテ
ピックガード：スポルテッド メイプル
[ パーツ ]
フロント ：Fender Texas Special
センター ：Fender Texas Special
リア ：DiMaezio Fred DP 153
コントロール：2ボリューム+1トーン
(フロントON-OFFスイッチ)
+5Wayスイッチ+タップスイッチ
ペグ ：Gotoh ロックペグ
ブリッジ ：フロイドローズ
[ カラー ]
トップ：シースルーブルーバースト
サイド：シースルーブルー
バック：シースルーブルー
[ 塗装 ]
ボディ：ウレタングロス
ネック：ウレタンマット
(タップで拡大)
アルダー
エレキのギター・ベースで一番スタンダードなイメージのあるアルダー。
弊社モデルでも、基本的にアルダーをボディのスタンダードスペックとしています。
アルダーはうっすら木目の見えるシンラッカー仕上げとも相性がよく、程よいバランスで木材の質感を楽しむことができます。
楽器用の木材としての流通や品質も安定しているため、木材の個体差も少ない材です。
(↑今から紹介する材とは別のアルダー材です。)
研摩が終わり、塗装前の状態。
アルダーはボディ自体が茶色なので、シースルーカラーで水色やパステルなカラーは難しいですが
Carrot Orangeのような暖色系の場合は比較的明るめでもシースルーカラーが可能です。
そして今回もネックはフレイム杢のサーモメイプル。
塗装前も杢が見えていますが、塗装後はもっと濃くハッキリと立体感が出ていますよね。
キルトやフィギュアドやどの杢も、塗装後の方が杢がより濃く見えるようになりますが、サーモメイプルは特に塗装後の変化が大きいように感じますね…。
今回のカラーは、ドレスブラックに極薄塗装のシンラッカー仕上げです。
アルダーの木目×ドレスブラックのカラー×シンラッカーの質感、全部が嚙み合っていてめちゃカッコいい。
↓ ↓ ↓
[ 木材 ]
ボディ：アルダー
ネック：フレイム ライトサーモ メイプル
指板 ：エボニー
[ パーツ ]
フロント ：L(x) ST
センター ：L(x) ST
リア ：L(x) HB
コントロール：1ボリューム+1トーン
+5Wayスイッチ+タップスイッチ
ペグ ：Gotoh ロックペグ
ブリッジ ：Gotoh 510T-SF2(6点)
/ Sago Original Brass Block
ピックガード：アノダイズド ブラック
カラー：ドレスブラック
塗装 ：シンラッカー
(タップで拡大)
実は今まで全然オーダーになかった塗装の組み合わせなんですよね。
アーティストの神田さんがアルダー×ドレスブラック×シンラッカーのベースが多いので個人的に馴染みがあったんですが、見返してみると製作例がほとんどなくてすごく驚きました。
この組み合わせ… おすすめです。
まとめ
木材から完成まで、製作の様子を追いかけてみましたがいかがでしたでしょうか！
今回は、人気のキルトメイプルとスタンダードなアルダーの２本をご紹介しました。
皆さんが理想のオーダーギター・ベースを構想していく際に参考になれば嬉しいです！
木材ギャラリーですが、楽器に使われる材や珍しい材を皆さんに知ってもらえるようにと作り始め… 今では結構な数まで増やすことができました。今後も更新していく予定ですのでたまに覗きに来てくださいね～。
