TD-035特集

最終更新日:  公開日:



こんにちは。

サゴギャラリーやYouTubeでも
すでに紹介させて頂いている、Sago初の
セミアコースティックモデル: TD-035。

今回はTD-035の特徴や
通常のセミアコモデルのギターと
どう違うのか解説していきたいと思います。

1.What’s TD-035?

MONOEYESArt-school Ropes
活躍されているギタリスト、
戸高賢史さんよりアイディアを頂き誕生した
TD-035。

通常セミアコは木材を曲げて、
ホロウボディを形成しますが、
TD-035はそれと違い、
ソリッドボディの木材を削り出して、
トップとバックで貼り合わせること
セミアコ形状のギターを開発しました。

以前から構想はあったものですが、
戸高さんからお声がけ頂き、製作を始めました!

2.削り出して張り合わせて製作するボディ

ボディバック、ボディトップの木材を
NCルーターで削り出して、
セミアコモデルの特徴である
ホロウ構造を作っていきます。

開発するにあたり一番大変だったのが
3Dデータの作成。

ソリッドボディ(ストラトタイプなど)は
CNCで粗加工した後、手動の木工でコンターや
カッタウェイを中心にさらに細かく
研磨していきます。

それに対してSagoのセミアコモデル:TD-035
CNC加工を終えた段階で、厚みや形状を
ほぼ完成の状態にしなければなりません。

複数の木材を組み合わせて構成される
通常のセミアコモデルに比べ、
TD-035はボディトップ・バックを
張り合わせた状態のため、構造上の強度は
劣ってしまいます。

そのためTD-035はボディの厚みを
5mmと厚くしています。

その厚みを正確に出すために、
手動の木工では機械加工の跡を消し、
整える程度にする必要がありました。

試行錯誤し、完成した3Dデータを用いることにより、
次に紹介するいいことができるようになりました!

3.豊富な木材から選択可能

TD-035は他のモデルと同じように
Sago工房で取り揃えているソリッドギター用の
木材をお選び頂けます。

TD-035の基本的な木材構成は

ボディトップ・バックがソフトメイプル、
ネックがアフリカンマホガニー、
指板がホンジャラスローズウッド

ですが、エレキギター寄りのタイトなサウンドを
狙ってボディ材をアルダーにしたり、、
アコースティックなトーンを狙ってネック材に
ライトサーモメイプルをお選び頂くことも可能です。

木材によっては強度等の問題が出る
可能性がありますので、
詳しくはSagoスタッフへご相談ください。

こちらのMMP16 TD-035 Custom
全て和材で構成しており、
和材特有の柔らかい質感により、
セミアコの甘いトーンに磨きがかかります。

4.ボディサイドにジャック、ストラップピン

通常のセミアコはサイド材が薄いため、
サイドにジャックやストラップピンを
取り付けることができません。

しかしTD-035はセミアコモデルとしては
サイドを厚めに設計しているので、
ジャックをサイドに配置することができます。

ケーブルがボディトップをデザインを
邪魔することがない他、電装系のメンテナンスが
容易
になるメリットがあります。

またストラップピンをこのように配置することで、
ストラトタイプなどからTD-035へ持ち替えた際、
同様のスタイルで演奏できますよ。

5.ボディバックに外周R

バインディングは木材を
張り合わせたところを隠し、
装飾する役割があります。

ですが、TD-035はボディトップとボディバックを
貼り合わせるだけなので、ボディバック側には
バインディングを貼る必要はありません。

ボディバックは体に接する部分なので
外周Rをつけることで、より体にフィットしますよ。

もちろんデザイン性を優先して、
ボディトップ・ボディバック両方に
バインディングをつけることも可能です。

6.ピックアップ

L(x) HB custom戸高さん
開発を進めてきたピックアップ。

Custom Model: SGのピックアップを
大変気に入って頂いており、

改良を加えながらTD-035のピックアップ
として仕上がりました。

低出力であるアルニコ2のマグネットを
用いてビンテージ傾向のキャラクターを
意識しつつ、巻き数を若干上げました。

適度にパワーがあり、深く歪ませたとしても
フレーズが分かりやすいです。

またコイルを二つで構成する
ハムバッカーPUですが、
それぞれのコイルのマグネットワイヤーを
あえて違うものにしています。

本来であれば二つとも全く同じコイルで
ハムキャンセル効果*が機能します。

*ピックアップのコイルの巻き方と
磁石の向きを反対にしたピックアップを
組み合わせることでノイズのみを打ち消す仕組み。

しかしあえて違うマグネットワイヤーを使うことで、
完全なハムキャンセル効果を狙わず、
ハムキャンセル効果による高音のこもった感じを
解消
しています。

これにより、高音もしっかりと出力でき、
クリーントーンでは滑らかかつ
明瞭なサウンドが際立ちます。

7.ウッドパーツ

CNC加工や木材の製材時に発生する端材。

これらを余すことなくエスカッション
ピックガード、


トラスロッドのカバー指板のインレイなどに
活用しています。

じっくりと眺めたくなるようなルックスも
オーダーならではの醍醐味ですので、
塗装はもちろん、細かいパーツ類でも
こんな風にしたいというものがあれば、
ぜひご相談ください。

8.サウンド

セミアコモデルとしては、生音が鳴り過ぎず、
適度な低音感に仕上がっています。

Novelbirghtの沖さんからも

「バラード調の楽曲では特にサウンドキャラクターが
マッチする上、スッキリした低音で歌を
邪魔しないのではないでしょうか。」

とコメント頂いております。

いつもSagoのYouTubeで試奏、
コメント頂きありがとうございます。

ソリッドギターの木材でお作りするため、
ボディの幅はレスポールタイプと同様で、
ボディの大きさはGibson社の
ES-335とES-339の中間くらいの感じになりました。

またボディバック、ボディサイド、
センターブロックが一体となっており、
ボディサイドとボディトップ・
ボディバックの補強パーツであるライニングを
必要としません。

設計にこだわったところと、
戸高さんと開発を進めたPUにより、
生鳴りが適度なSagoらしいセミアコモデル
誕生しました。

9.まとめ

Sago初のセミアコモデル:TD-035。

アコギとエレキを持ち変えるボーカルギターの方にも
オススメですし、ファンクのカッティングやジャズの
セッションなんかにもマッチしそうですよね。

MMPで何本か製作している他、
すでにTD-035をカスタムした
オーダーを頂いております。

センターブロックをストラップピンのところまで延長したり、
ビズクビー(アーム)を取り付けることもできますので、
Sagoブランドの他のモデルと同様、
Sagoの技術やサービスをTD-035
カスタムオーダーできますよ。

セミアコにチャレンジしてみたいという方、
ぜひ一度お試しくださいね!