Concept Model特集 Ymir編 Part1

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こんにちは。

Sago Blog ではConcept Modelを
深掘りして紹介してます。
今回はギターのYmir

最近また新たにマイナーチェンジを行い、
より親しみやすいモデルへと進化しました。

早速いってみましょう!

1. What’s Ymir?

SagoのConcept Modelの中でも、
ハードロックやメタルのようなテクニカルな
プレースタイル
のギタリスト向けに開発したのが
このYmir

24フレット仕様高出力ピックアップを搭載し、
ハイポジションでのギターソロやアームを
多用したフレージングに対応できるよう
各部の強度を高め、パワーのあるギターです。

一つずつ見ていきましょう。

2.ボディ

コンセプトに合わせて基本となる木材選びから。

まずボディ材にはバスウッド。
バスウッドはフラットな音響特性で、
低音から高音まで満遍なく鳴らせる特徴があります。

またバスウッドは木材自体が柔らかく、
加工性が高い
ため、クセなく楽器が鳴る特徴を
楽器上達の目的として、エントリーモデルに
採用されることも多い木材です。

さらにバスウッドだけでは足らない
ボディ材によるパキッとした鳴りを出すため、
トップ材にハードメイプルを合わせています。

一見するとSoniaとボディシェイプが似ていますが、
ハイポジションを広く使えるよう、
ボディバックは4点ボルトオンで、
1段落とし込みしております。

アンダーホーンの形状を工夫し、
最終フレットである24フレットへの
アクセスも良好ですよ。

そしてブリッジにはGotoh 510TS-FE1を採用。

2点支持のトレモロに、
ロックペグを組み合わせることで、
高いチューニングの安定性が生まれます。

一般的なストラトタイプはブリッジを
ピッタリ固定しているのに対し、


Ymirではブリッジ下へリセス加工(落とし込み加工)
することによりアームアップの可動範囲が広くなります。

なおブリッジの取り付け部には
メイプルのブロックを仕込んでおります。

リセス加工やピックアップ収納の
ポケットなどザグリが多く、
アーミングを繰り返した時にブリッジが
ボディから抜け落ちてしまうことを防ぐ目的にしています。

3.剛性を持たせたネック

テクニカルなプレーを考慮し、
若干薄めのネック厚に仕上げたYmirのネック。

Soniaのネック厚が1f:21mm、12f:23.5mmなのに対し、
Ymirは1f:20mm、12f:22.5mmと
1ミリ薄くなってます。

ネック厚を薄くすることで握りやすく
軽いタッチで弾くことができます。

テクニカルなプレースタイルのギターで
薄目のネック厚が採用されるのはよくあることですが、
ネックの強度が心配じゃないですか?

激しくアーミングしたり、四季による気候変化の
大きい日本のような環境でも、安定してネックの
コンデションが保てる
よう考えました。

まずネック材はライトサーモメイプル。


Sagoではすっかりお馴染みのサーモウッドですが、
強制的に木材を乾燥させることで、
木材が水分を吸ったり吐いたりすることを軽減させます。

これによりネック反りにくくなります。

またサーモ処理の途上で木材によっては割れてしまったり、
ねじ曲がってしまうものが発生します。

サーモ処理により、木材がふるいがけされ、
良質な部分だけが残るので、安心してお使い頂ける
マテリアルとしてオススメさせて頂いております。

次に指板はリッチライト。

エボニーの代替材として開発された人工素材で、
ガッチリと詰まった質感と
マットなルックスが特徴です。
強度も高く、価格、品質共に安定した
オススメのマテリアルです。

さらに通常のトラスロッドとは別に
カーボンサポートロッドを追加する
ことにより、強度を向上。

そしてフレットには摩擦に強い
ステンレスフレットを採用しています。

環境変化に影響を受けにくいマテリアルで構成することにより、
ネックコンデションを長期間キープすることができます。

4.ピックアップ・コントロール・スイッチ

新たにYmir用に開発したピックアップ。

Neck PU: L(x) HB (ハムバッカー)
Middle PU: L(x) ST: (シングルコイル)
Bridge PU: L(x) HB: (ハムバッカー)

を搭載。

ハードロックやメタル等のテクニカルなギター、
ハードなサウンドアプローチに対応できるコイルの
巻き数を通常のPUより上げて高出力
に仕上げています。

深く歪ませても音の芯が残り、
ピッキングのニュアンスをしっかり表現できます。

次に5 way switchはフロントとリアの
ハムバッカーの鳴らし方を切り替えます。

①フロント側に振り切る:フロントPU (HB)
②フロントとセンターの間:フロントPU (Coil Tap)
③センター:フロントPU (HB) & リアPU (HB)
④リアとセンターの間: リアPU (Coil Tap)
⑤リア側に振り切る:リアPU (HB)

コイルタップはフロント・リアともに
内側(センターPU側)が鳴ります。

またピックアップを切り替えた際、
音量差が出ないよう、コイルタップ側のコイルは
巻き数を増やして、出力を上げています。

さらにミニスイッチはセンターPUの
On(上)/Off(下)
を切り替えます。

上記の①~⑤にセンターPUが加わることで、
合計10種類の音色を取り扱うことができます。

②や④にセンターPUが組み合わさることで、
ストラトタイプなどではお馴染みのハーフトーン
出力できる他、ミニスイッチがOnで③の状態で
全てのピックアップを使って、ゴージャスな音で
鳴らすことができます。

なお今回製作したピックアップはボビンを
ガルバナイズドファイバーをレーザー加工し、
シングルコイルのパーツを用いて巻き上げました。

フェンダー社のシングルコイルタイプの
PUが2つ合わさったような感じです。
通常のハムバッカーとはまた違う
モダンなギターサウンドを目指しました。

ちなみにコントロールは1 Volume 1 Toneのため、
シンプルにボリューム操作、トーンの微調整ができますよ。

多彩なサウンドメイクと、
扱いやすい操作性を考慮し、
現在の仕様になりました。

なおピックアップのレイアウト・スイッチ類の
カスタマイズもお客様のご要望に応じて変更可能ですので、
お気軽にご相談ください。

5.7弦モデル: Ymir7

通常の6弦ギターにLow-B弦を加えた
7弦モデルのYmir7
があります。

こちらのYmir7は弦が増え、
ネック幅が広くなったこと以外は
6弦モデルと同じ仕様です。

なおSagoの7弦モデルといえば
桜村眞さん(和楽器バンド:町屋さん)
時雨が挙げられます。

他にもSagoのConcept Modelを
7弦ver.として製作したり、

フルオーダーで多弦モデルも多数実績がございます。

7弦ギターの場合、既存品ではパーツ類の関係で
選択肢が限定的になりますが、

Sagoでオーダー頂きましたら、
マテリアルから自分好みにお選び頂けます。

時雨のように7弦ギターでホロウ構造にするなど、
既存の概念に左右されることなく、
フルオーダーでは専用設計でお作りできますよ。

6.サウンド

YouTubeにてYmirをオーダー頂いた
オーナー様に演奏して頂きました。

一部仕様が異なりますが、参考にぜひご覧下さい。

7.まとめ

Sagoのコンセプトモデルのなかでも
歴史のあるYmir

過去にはこのような歌舞伎をモチーフにした
Ymirも製作させて頂いたこともありますよ。

ステージ上でスポットライトが当たった際に
映えるモデルとして、Ymirぜひお試しください。