NAMM SHOW 2024モデル特集 ギター編

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こんにちは。

昨年に引き続き、 NAMM SHOW 2024に
Sagoは出展いたします。

そこで今回のBlogではギターの
ショーモデルであるYmir7を中心に紹介します。

1.Ymirとは?

SagoのConcept ModelであるYmir。

Fender社のSuper Stratcasterのように
24フレット仕様で、テクニカルな
ギタリスト向けに開発しました。

少し前にリニューアルし、
その後もカスタムオーダーを頂くことの多い
Ymirは Sagoの人気モデルの一つです。

今回はショーモデルとして
スペシャルな1本に仕上げました。
ポイントを一つずつ解説します。

2.7弦24フレットのカーボンネック

カーボンネックは炭丸ギターさんに
製作を協力頂いており、グリップシェイプなどの
仕様を限定して量産しているのですが、
この度ご要望の多かった7弦24フレットの
ギターのカーボンネックが新たに
ラインナップに加わりました。

カーボンネック最大の特徴は
気候変化に全く左右されず、
ベストのネックコンディションを
常に保ったまま演奏ができること。

木材の場合は、楽器として完成後も
木材が水分を吸ったり吐いたりすることで、
ネックが動いて(曲がって)しまいます。
人工的に強制乾燥させたサーモウッドは
環境変化に強いとはいえ、ネックが
絶対に動かないということはありません。

カーボンはそうした心配はなく、
一度セッティングしたネックコンディションを
維持し続けることが最大の特徴です。

また木材のネックと同様にトラスロッドを
仕込んでいます。
弦高調整やネックの状態(ストレート、
ほんの少し順反り気味など)を微調整できます。

なおフレットは剛性の高いステンレス、
サイドポジションマークには暗いところで
光るルインレイを標準搭載しています。

従来の樹脂製のネックのように冷たく、
無骨なイメージとならないよう、
木材と同じ重量に合わせています。

またネックを中空構造にすることで、
木材のような鳴りを実現しています。

7弦24フレットのギターを使う方は
速弾きやタッピングなどテクニカルな
演奏スタイルであることが多いです。

そのためネック周りのセッティングが
シビアであり、そのコンディションの
キープがカギとなります。

カーボンネックを導入すれば、
安定して弾きやすい状態を
手に入れることができます。

2.ポーリングアート

塗装はSagoが新たに挑戦している
ポーリングアート。

色同士が混ざり合うことなく、
液体の流動性を活かしたデザインです。

ブルー中心に、まるで海の中に
いるのようなイメージに。

昨年のK’z Guitar WorksとのコラボSoniaに続き、

ショーモデルとしてインパクト抜群に
仕上がったのではないでしょうか?

新しい素材・アイデアに柔軟に
取り入れていくSagoらしい塗装となっています。

3.ピックガード

ピックガードにも新たな挑戦として
エングレービングによるデザインを
取り入れました!

ポーリングアートにより、
海の中を表現したので、その中を優雅に泳ぐ
クジラを描いてもらいました。

ピックアップやコントール類を装着する
ピックガードですが、ドレスアップできる
ギターパーツとして
SagoのNew Ideaは尽きません。

4.ピックアップ・コントロール

ギターのPUについて試行錯誤を続けるSago。

ピックアップのレシピ、
コイルタップの配置を見直しました。

まずフロント側・リア側のハムバッカーPUですが、
コイルタップした際に音量差が出ないよう、
コイルタップ時に音が鳴るコイルの
マグネットにはアルニコ5、音が鳴らないコイルの
マグネットにはアルニコ2を選びました。

数字が大きくなるほど、磁力が強くなり、
出力も大きくなります。

またコイルタップ時に音が
硬くなりすぎないようフロントPU、
リアPU共にネック側のコイルが鳴ります。

コントロールは Master Volume, Tone, 5 Way Switch,
ミドルポジションのシングルコイルPUの
On/Off Switchという構成です。

5 way switchは

①フロント側に振り切る:フロントPU (HB)
②フロントとセンターの間:フロントPU (Coil Tap)
③センター:フロントPU (HB) & リアPU (HB)
④リアとセンターの間: リアPU (Coil Tap)
⑤リア側に振り切る:リアPU (HB)

という感じで5種類あり、
ここにミドルポジションのシングルコイルPUが
加わることで合計10種類の音色で演奏ができます。

ハードなリフ、アグレッシブなリードギターに必要な
ハムバッカーPUと、煌びやかなアルペジオ、
スッキリとしたクリーントーンに対応できる
シングルコイルPUとコイルタップ。

様々なシーンに対応できるよう
バリエーション豊かなサウンドと、
分かりやすいコントロールで
ギタリストをアシストします。

PUの切り替えによる音の違いは
以下で聴き比べできますよ!

5.木材、木工加工

ボディバックにはバスウッド。

バスウッドは癖のない素直なサウンドが特徴です。
木材自体に音的な特徴があまりなく、
ピックアップなど他のパーツ類の特性を
ストレートに出すのに向いています。

柔らかいので、オイルフィニッシュなどの
極薄塗装は強度的に向いていません。
楽器用材の中では比較的軽いため、
ボディトップに硬く、重量感のある
メイプルを貼って音の芯が
ボヤけないようにしています。

そしてジョイント部はプレートなしの
4点ボルトオンでジョイントしています。
ハイポジションでもスムーズに弾けるようにヒール加工。

丸みを帯びたジョイント部は
見た目も美しく、心地よさを感じます。

6.レギュラースペックのYmir7と聴き比べ。

同じPUポジション、奏法でレギュラースペックのYmir7と
NAMM SHOWモデルのYmir7を弾き比べました。

ネックの比較として

レギュラースペックは
ネック材:ライトサーモメイプル
指板材:リッチライト
※カーボンのサポートロッドあり

NAMM SHOWモデルはネック材、
指板材共にカーボンです。

ネック材がカーボンになることで、
低音から高音まで均一な鳴りとなり、
木材のネックに比べて低音がスッキリした印象です。

歪みの深い音作りの際、
低音が膨らんでくることがありますが、
カーボンネックでは適度な低音感で、
タイトに音作りすることができます。

7弦ギターであるため、
ネックの質量が6弦ギターに比べて高く、
ネックのマテリアルが違うことで
キャラクター変わることがよく分かります。

またカーボンネックでは剛性を高めるため、
フレットにステンレスを採用しています。

そうしたこともあり、
アタックがガチっとしていて、
フレーズがハッキリと見えやすいです。

7弦ギターを使うギタリストの方は、
テクニカルなプレースタイルでギターアンプ、
エフェクターや周辺機材トータルで緻密に音作りされます。

カーボンネックのYmir7はギターとしては
素直なサウンドにまとまっています。

またピックアップ自体の出力は以前の
リニューアル時は高出力で深く歪ませても
しっかり芯のあるサウンドとなるようにしていましたが、
Soniaのように適度な出力で
クリーン〜クランチ〜ハードなドライブサウンドまで、
万能に音作りできるように調整しました。

そしてショーモデルとして挑戦した
ポーリングアートの塗装とピックガードも、
ぜひ近くで見て頂き、ギターショーの本場で
注目してもらえることを楽しみにしています。

7.まとめ

この他にもSeed Kirin, Seed Shinra – Haku -,
Seed Kotetsuを展示します。

2024年のNAMM SHOWまであっという間でしたが、
現地で盛況できるよう、スタッフ一同頑張ってきます。

またその様子もYouTubeでアップ予定ですので
お楽しみに。