Sagoで楽器が出来るまで。セットアップ編(ベース)
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こんにちはSagoNMG工房です。
今回はSagoでベースをセットアップするところをご紹介したいと思います。
塗装が完了したボディ、ネックをセットアップし、ベースとして演奏できる状態に組み上げていきます。
↑セットアップの工程をYoutubeでも解説しています。
1.ボディとネックのすり合わせ
マスキングテープを外し、
ネックをボディに取り付けしていきます。
塗装することにより、ボディやネックが
厚くなるため、そのままではネックが
ボディに上手くハマりません。
特にラップ塗装の場合は塗膜が厚いため、
ヤスリやピンルーターで塗装した箇所を削り、
ネックポケットを微調整していきます。
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すると、きりたんすのようにすっと入ります。
ボディだけを持ってもネックが外れず、
ピッタリフィットします。
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他のパーツ類を正確に取り付ける上でも、
このボディとネックのすり合わせをしっかり行っています。
2.ペグ取り付け
ヘッドにペグを取り付けていきます。
こちらも塗装で厚くなったところを削っていきます。
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Classic Style J5で用いられるペグは
軽量ペグであるGotoh GB528を採用しています。
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4弦ベース用のペグと比べると一回り小さく、
ヘッド落ちを防止。
ビスを電動ドライバーでしっかり閉めたら、
表面のナットもしっかりロックします。
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3.ジョイントプレート装着
Classic Style Seriesのエレキギター・ベースには
ジョイントプレートでネックジョイントを行っています。
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プレートにはSagoの“S”マークと
“The Sound Of New Material And New Idea”の文字。
こちらもしっかり閉めていきましょう。
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4.ピックガード装着
ピッキング時にボディを保護し、
ルックスを左右するピックガード。
こちらも位置を慎重に確認しながら
丁寧に取り付けていきます。
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5.ピックアップ取り付け
弦の振動を拾うマイクの役割をするピックアップを取り付け。
ピックアップの下に反発性の高いスポンジを入れます。
こうすることでピックアップの高さを調整することができます。
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スポンジにアルミのシートを巻くことで、
ピックアップのポールピースからピックアップの
キャビティ内に塗った導電塗料を経由し、
シールディングします。
余計なノイズが載らないよう、
ノイズ対策はバッチリ行っていますよ。
また長めのビスがスムーズに取り付け
できるようロウを塗っておきます。
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6.ブリッジ取り付け
ボディ、ネックのセンターに合うよう、
適切な位置にブリッジを取り付けていきます。
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ビスの穴を開けたら、面取りを行います。
これはビスを取り付けた際、
塗装が剥がれないようにするためです。
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そしてブリッジにもアースを伸ばすため、
ブリッジ側ピックアップの下側に向かって、
ドリルで穴を開けていきます。
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アース線をブリッジとボディでしっかり挟み込んだら、
ブリッジを固定していきます。
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7.バッテリーボックス取り付け
プリアンプやLEDポジションマークを搭載した
モデルには9Vのバッテリーが必要となります。
Sagoで標準採用しているGotoh製BB-04は
バッテリーボックスと蓋が一体となっています。
キャビティーを斜めにスライドさせて、
バッテリーを入れる構造となっているため、
工具類を必要とせず簡単にバッテリー交換が出来ます。
なお今回のSago MMP#11 – Classic Style J5 36inch –は
ボティーバックを美しく見せるため、
バッテリボックスは使用せず、
コントロールのキャビティー内に
バッテリーを収めています。
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8.電装系の配線
ピックアップ、ブリッジ、ジャックから
キャビティへ集まった配線をはんだ付けしていきます。
何かトラブルが起こっても強い回路、
となるよう適切な長さで配線をカットし、
はんだ付けしていきます。
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なおギターやベースのメカニックにご興味のある方、
配線を取り扱う前は写真を撮ったり、
前の状態が分かるよう、マスキングテープで
印をつけておくことをオススメします。
楽器の改造で一番入りやすく、
音になって現れるのが、電装系の配線や
ピックアップ等のパーツ交換。
こうした楽器の内部をこだわり始めたところから、
楽器製作を学び、Sagoのクラフトマンとして
入社したスタッフもいます。
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Sagoではエレキギターやベース本体以外に
自社でピックアップを製作しておりますので、
サウンドの見直しで悩んでいる際には、
お気軽にお問い合わせ下さい。
※タップすると販売ページへ
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10.ナット溝切り出し
ナットを取り付け、ベース弦を張ると音が鳴り、
いよいよ完成が近づいてきます。
ナットは定番の牛骨、派手な鳴りのブラス、
人工素材のタスクなど様々な種類のナットをご用意。
またフレットと同じ素材のニッケルは開放弦と
押弦した際の音色差がありません。
ナットによって発音のニュアンスが変わるので、
オーダーの際にご相談下さい。
まずはナットの溝を切らない状態で、
一旦ベース弦を貼ります。
そして1弦と5弦の溝を切っていきます。
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音程的に一番低い弦と高い弦の位置を決めてから、
間の弦の位置を調整します。
またベースは弦が太いため、各弦の弦間が
均等になるよう「弦間合わせ」で
ナットを加工していきます。
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ナットの溝の幅を調整したら、今度は高さを
決めていきます。
特にLow-B弦を貼った多弦ベースは
弦が太いため、高さについては
慎重に進めていく必要があります。
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11.仕上げのポリッシュ
パーツの取付、サウンドチェックが完了し、
ベースが完成しました。
長い道のりでしたが、こうしてオーダー頂いた楽器が完成します。
最後に作業中にボディやネックに付着した汚れを
Sagoオリジナルのポリッシュで拭いて、綺麗にします。
新品の楽器に初めて触れるお客様に
喜んで頂けるよう丁寧に磨いていきます。
なおこのポリッシュ、メンテナンスで
皆さまにもお使い頂けるよう、単体販売しております。
ゆずおいるもオススメアイテムですので、
ぜひチェックして下さいね!
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12.まとめ
木材を加工、塗装して楽器を組み立て上げる工程を写真に収め、
DVDをお渡しさせて頂いております。
そして楽器が完成してから5年間が保証対象期間になります。
5年を過ぎても末長くお使い頂けるよう、
Sagoスタッフ一同、精一杯サポートさせて頂きます。
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「Sago」は2004年に創立した、ギターメーカーです。
エレキギター・ベースを基本に、スタンダードなモデルや弊社プロデュースのモデル、フルオーダーまで幅広く製作をしています。
豊富なアイデアと技術で、お客様の理想の一本を製作させていただきます。