特殊なアートでギターを塗装してみたよ【フルイドアート】

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こんにちは、まゆです。

見てください。この色が流れているような塗装。

このような手法のことをフルイドアートというんですが、このアートを使ってSoniaモデルに塗装をしてみました!

今回のブログではその様子を紹介していきたいと思います!

フルイドアートとは

皆さんはフルイドアートって聞いたことありますか?

Fluid (フルイド) とは”流動体”という意味で、

液体の絵具をキャンバスの上に流し、その流れによって模様を作り出すアートのことを指します。

ずっとポーリング(Pouring)だと思っていたんですが、同じく注ぐこと、流れでることを意味しているようです。

私が初めて知ったのは5年前くらいで、海外のフルイドアーティストたちがYoutubeにアップした動画をみて興味を持ち始めました。
このアートをギターの塗装として使えないかな?と思い、専門学生時代に自分のギターを塗装してみたりしたんですが、結局満足のいく仕上がりにはならず…。

そんままなんとなく流れてしまっていたんですが、Sagoのショーモデルを製作する際になにか新しい塗装にチャレンジしてみようということになり、このフルイドアートを塗装することになりました!

まずはサンプル作り

まずはフルイドアートの練習と、塗装のイメージを固めるためにいくつかのサンプルを作りました。

最初のサンプルは綺麗な青と淡いピンクが差し色で入るような、可愛らしい透明感のあるカラーをイメージして製作しています。
色の量や、流し方、模様の細かさなどを試しながら3パターン作ってみたんですが、どれもすごくいい感じにできました。

左奥の青が濃くてピンクがしっかり入っているサンプルは派手さもあって目を惹きますし、私が個人的に一番好きな真ん中のサンプルはピンクの線がところどころ出ていておしゃれで、右のサンプルは色の差の少ない模様が細かく入っているので全体でみたときはシンプルに見えるんだけどよく見たら模様が入っている!という控えめな柄になりました。

そんなこんなでサンプルが完成し、Soniaモデルの製作も進んできたところで、Soniaの状態を見てみると、、

トップ材のメイプルバールがものすごい綺麗な大ぶりの杢で、全体的にゴージャスな感じの雰囲気だったんですね。
「これは、水色とピックのポップな見た目よりも暗めの青と赤と紫のようなセクシーな感じの方が似合うんじゃないか。」と思い、本番では思い切ってカラーをチェンジすることにしました。

塗装の手順

フルイドアートに使われる絵具のほとんどはアクリル絵の具で、そこにオイルを混ぜて使用します。

今回の塗装では、アクリル絵の具とポーリング専用のメディウムを混ぜて使いました。

用意したカラーは、紺色、鮮やかな青色、水色、灰色、暗い赤色、鮮やかなオレンジっぽい赤色、黒、白です。
そのカラーたちを新しい一つのコップに注いでいき、その液をボディやピックガードに垂らします。

結構カラーも多かったので順番を考えながら注いだり、鮮やかな青と赤の差し色をどこにどのくらい入れるかなども悩みながら塗装を進めました。

特にピックガードは、トップ材のメイプルバールが結構赤みがあって色が濃かったので、ピックガード全体が同じような模様だと少しぼやけた見た目になりそうだなと思い、左上にはっきりとした白を置いて締まりを出してみました。
最終の見た目を見てやっぱり白を入れて良かったなと思います。

こんな風に、色味を考えたり全体のイメージをどうしていくか考えるのはすごく楽しくて、あっという間に時間が過ぎていきましたね。

完成したカラー

こちらのモデルでは、ボディバックからサイドとピックガードに塗装をしました。

ボディの外周の丸みは、通常のRとは逆向きにえぐるように削る「リバース10R」の加工をしており、Rの真ん中でカラーを分けることで額縁のようにサイドバックのカラーが見えるようになっています。

逆Rとよく呼んでいるんですが、木材と派手なカラーのコントラストが惹き立つSagoお気に入りの加工です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

Sagoとしては初となるフルイドアートの塗装でしたが、個人的に大満足のカラーに仕上げることができたと思います!

フルイドアートの作品を見ているとよくブツブツ?のような「セル」という柄を(集合体恐怖症の方は検索注意!)見かけるので、作業しているときに「全然セルって出ないんだなー。なんかそれ専用に混ぜないといけないのかなー。」と思っていたんですが、

先ほど紹介したようにオイルを混ぜると、水と油が反発してセルが出来るみたいですね。

セルは結構苦手な人が多そうな模様なので、今回はちょうどよかったんですが、今後はセルが少し混ざったような面白いデザインにも挑戦してみたいなと思っています。