Curious Arched Top特集

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こんにちは。

桜村眞さん(和楽器バンド:町屋さん)など、
アーティストの皆さまを中心に
お使い頂いているギターの
Curious Arch Top。

和楽器バンドのアルバム:ボカロ三昧2では
ライブやレコーディングで
たくさん登場していましたね。

SagoのConcept Modelの一つですが、
セミホロウモデルとして、
更に進化してきました。

今回のSago Blogではそんな
Curious Arch Topを深掘りして紹介します。

1.Curiousとは?

Curiousは元々お客様からの
オーダーを元にSagoで設計したモデルです。

セミアコとソリッドギターの中間のサウンド、
いわゆるシンライン系のギターで、
ボディの大きさも小ぶりな設計になっています。

このCuriousのボディトップに
アーチ加工を施し、デザインしたのが
Curious Arched Topです。

Flat TopのCuriousといくつか仕様が
違うところがあり、それらを踏まえて解説します。

2.ホロウ構造

Flat TopのCuriousと
Curious Arched Topとの
大きな違いはホロウになっているエリアです。

Flat TopのCuriousはソリッドボディの
エリアがある程度残っているのに対し、

Curious Arched Topはボディの
ほぼ全体がホロウ構造です。

そして4.ピックアップで解説しますが、
フロントにはP-90タイプ(シングルコイル)の
PUを搭載しており、ノイズを軽減させたかったので、
コントロールキャビティをホロウ部分から独立させ、
シールディングしやすいよう設計しています。

ボディトップはこのような感じで
キャビティ部はトップ材を接着後、裏から加工します。

ボディ裏からポット類の電装系パーツを
取り付けるようにすることで、しっかりと
シールディングができ、通常の箱モノと比べ、
ピックアップや電装系が非常に交換しやすくなっています。
バックパネルで覆っています。

またセンターブロックはボディバックとは
別にし、下駄をはかせるように
ボディバックの上に設置しています。

センターブロックの木材はボディ材と
同様のジェニュインマホガニーにしています。

マニアックですが、センターブロックを
ボディバックの木材と違うものに変えることで、
音作りするというアプローチもあります。

例えばハードメイプルをセンターブロックに
することで、ソリッドギターのような立ち上がりにするなど。

TD-035と同様にボディサイドは
厚みを持たせていますので、
サイドジャック、サイドピンに
することができます。

これらは通常のセミアコにはない仕様であり、
ソリッドボディのエレキギターと同様の
使用感を実現しています。

3.木材

Curious Arched Topでは

ボディトップ: ハードメイプル
ボディバック:ジェニュインマホガニー
ネック:ジェニュインマホガニー
指板:リッチライト

を基本の木材としています。

直近でオーダー頂いたこちらのモデルは

ボディトップ:スプルース
指板:エボニー

に変更してオーダー頂いています。

ジェニュインマホガニーは
ホンジュラスマホガニーと同じ樹種の
ビッグリーフマホガニーではありますが、
東南アジアなどで植林された木材です。
弊社では区別するためにジェニュインマホガニーと呼んでいます。

木材の性質に違いはありませんが、
ジェニュインマホガニーは
ホンジュラスマホガニーに比べて
重量が軽いものが多い印象です。

マホガニー特有の粘り、中低音の力強さを
感じますが、ホロウ構造の
Curious Arched Topと相性の良さを感じます。

4.ピックアップ

フロントPUはL(x) P-90
リアPUはL(x) HB
を搭載しています。

なおフロントのP-90を
ハムサイズにしていますので、
フロントにハムバッカーPUを
搭載することも可能です。

この組み合わせは桜村さんの
Curious Arched Topを参考にしており、


セミアコならではのメロウなサウンド、
エレキギターとして必要とされる
ハードなサウンドの両方が出せるよう仕上げています。

5.コントロール

Curious Arched Topのコントロール部は
2 Volume, 1 Tone, 3 Way Switch
となっています。

ちなみに桜村さんのCurios Arched Topは
1 Volume, 1 Tone, 3 Way Switchと
なっており、よりシンプルに。

6.他のセミホロウモデルとの違い

まずTD-035との違いですが、
分かりやすいところで言いますと
ボディの大きさが挙げられます。

TD-035は通常のセミアコよりも一回り小さく
ボディ幅が14インチなのに対し、


Curious Arched Topはさらに小ぶりで
13.5インチ幅になります。
ソリッドボディのギターを
アーチトップ化していますので、
箱モノになじみのないプレイヤーも
違和感なく持ち変えられると思います。

構造的なところではTD-035は
ボディバックにセンターブロック部分を
残して削り出しています。
ネックの付け根からテールピースあたりまで
センターブロックを残すことで、
セミアコとソリッドの中間のような
サウンドを狙っています。

それに対してCurious Arched Topは
足となる部分を数か所だけ残して削り出しています。
その上からセンターブロックを接着することで、
ボディバックとの空間ができ、
より豊かな箱鳴りを生み出しています。

また現在マイナーチェンジ中の
Curious Flat Topは
648mmのフェンダースケール、
ボルトオンジョイント、
ホロウのエリアが Arched Topほどは多くなく、
ソリッドボディの要素が強い
セミホロウのギターとして設計しています。

詳しくはまた改めて解説しますね。

7.まとめ

Sagoの新しい技術やアーティストの
皆さまのアイディアを取り入れて
進化するCurious。

Sagoが近年力を入れている
セミアコモデルの一つなので、
楽器店などでお見かけしたら
ぜひお試しくださいね。

次回はFlat TopのCuriousについて紹介します。
お楽しみに。