Curious Flat Top特集
最終更新日: 公開日: Guitar
こんにちは。
Sago Concept ModelのCurious。
和楽器バンド、ma:tureでご活躍している
桜村眞さん(和楽器バンド:町屋さん)を中心に
お使い頂いています。

こちらはArched Topのモデルなのですが、
実はCuriousにはもう一つのモデルがあります。
それがCurious Flat Topです。

このモデルはスピッツの三輪テツヤさんに
お使い頂いているのですが、
この度、新たな仕様で進化しました。
そして製作者の中島が解説していますよ。
1.従来のCuriousから変更したところ
1-1.木材
まずボディですが、以前は
ボディトップ:ハードメイプル
ボディバック:アフリカンマホガニー
を標準としていましたが、
新仕様ではボディトップ・バック共に
欅を採用しています。

欅はボディ材で特に人気のあるマテリアルで、
ギター、ベース両方でよくオーダーを頂きます。
重量がある木材なので、
ソリッドボディにした際は
結構重めに仕上がります。
ホロウ構造の本モデルでは適度な重量となり、
和材でTD-035を製作した際にも
音が軽くなり過ぎず、サウンドキャラクターと
してもセミホロウモデルにピッタリだと
感じました。

次にネックですが、
旧:アフリカンマホガニー
新:楢(なら)

楢は和材の中でも強度があり、
NAMM SHOW MODELとして製作した
和材のSonia, Ove両方に採用しました。
なおネックはスカーフジョイントと言って
ヘッドの木材とネック木材を角度(10度)をつけて接合しています。
通常のスカーフジョイントはグリップ側
(1フレットあたり)を接合のポイントに
しているものがあるのですが
経年変化で剥がれや、ネックの波打ちの
原因になる恐れがあります。
それを防ぐため、ヘッド側で接合し、
さらに両側から挟み込むように接着することで
十分な強度を出しています。
なお角度付きの場合、3プライにするなど
木材をたくさん使う必要があるのですが、
スカーフジョイントを用いることで、
角度付きであっても、1枚分で製作できます。

続いて指板ですが、
旧:インドローズ
新:マルニカラ

マルニカラはウッドデッキにも使われるように、
硬さがあり粘りもある木材なので、
指板材としてオススメです。
ホロウモデルで、ボディ、ネックが
和材ということもあり、音がソフトに
なり過ぎないよう硬さのある材を選定しました。
1-2.ピックアップ
ピックアップ(以下PU)について、
以前はハムバッカーを搭載していましたが、
新仕様ではJMタイプのPUに変更しました。

Sagoのオーダーで人気のある
Classic Style JMですが、この独特な
クリスピーさ、太さのあるサウンドは
ビザールギターをコンセプトにしている
Curiousにマッチするのではないでしょうか?

なおシリーズ接続で使用することも見越して、
音が太くなりすぎて扱いにくくならないよう、
コイルの巻き数を少しだけ落としています。
もちろんオーダー頂く際は
JMタイプ以外のPU、ハムバッカーなども
お選び頂けます。
気になるサウンドは3.サウンドから
お聴きください。
1-3.ブリッジ
ストップバーテールピースからの変更で、
Classic Style JMと同じく、
Offset Vibratoを。
ブリッジにはGotoh GE103B-T
搭載しています。

Gotoh GE103Bは弦落ちしにくく、
チューニングの安定性やサスティーンの
向上につながります。
Gotoh製のハードウェアは機能面、
サウンド共にパフォーマンスが高く、
Sagoのエレキギター・ベースに積極的に
採用しています。
1-4.コントロール、スイッチ類
従来は2 Volume, 2 Tone,
3 Way Toggle switchでした。
ここから2 Volume, 1 Tone,
3 Way Toggle switch、
シリーズ/パラレルスイッチに
変更しています。

このシリーズ/パラレルスイッチは
Classic Style JMと同じように
2つのPUを直列接続に切り替えることで、
擬似的にハムバッカーのような
太い音を出力することができます。
ただ今回のシリーズ接続では、
ボリュームをコントロールすることで、
シリーズ接続の状態ながら
音のニュアンスを変えることができます。
このコントロールは
図のように切り替えることができ、
①と③がシリーズ、②がパラレル接続。

フロントPU、リアPUのボリュームが共に
フルテンだと①でも③でも同じ音です。
ここから①ではリアPUのボリュームが
マスターボリュームとなり、
フロントPUはブレンダーとして、
ボリュームを下げていくことで、
シリーズのサウンドでありながら
リアPU寄りの音を出力することができます。
フロントPUのボリュームを0にすると
リアPU単独のサウンドとなり、
②のパラレルの状態のリアPU単独と
同じです。
③ではフロントボリュームが
マスターボリューム、
リアPUがブレンダーの役割に。
詳しくは3.サウンドで聴き比べができますよ。
また、パラレル接続でのミックス時も
各々のボリュームが影響し合わないので、
より繊細に音作りをすることが可能です。
2.Curious Arched Topとの違い
2-1.スケール
Curious Arched Top:628mm
(ギブソンスケール)

Curious Flat Top:648mm
(フェンダースケール)

張りのあるサウンドを確保するため、
648mmのスケールを採用しています。
2-2.ジョイント
Curious Arched Top:セットネックジョイント

Curious Flat Top:4点止めのボルトオン

Curious Flat TopではJMタイプのPUを
搭載していることもあり、
セミホロウのモデルではありますが、
アタックを重視しており、
ボルトオンを採用しています。
2-3.ホロウのエリア
Curious Arched Top

Curious Flat Top

Arched Topはほぼボディ全面がホロウで
あるのに対し、Flat Topは
ソリッドボディの割合が多いです。
3.サウンド
YouTubeにて試奏動画を
公開していますので、ぜひお聞きください。
セミホロウモデルですが、
ジョイント部〜ブリッジ〜エンドピンまでの
エリアがソリッドボディということもあり、
TD-035やCurious Arched Topほどの
エアー感はありません。
ですが欅ボディや樫ネックによる
和材の組み合わせによって、
クリーントーンではメロウなサウンド。
コーラスやリバーブを掛けると、
綺麗に鳴ります。
そしてドライブサウンドでは
エアー感を含ませながらも、
JMサウンドらしいクリスピーさ、
あの独特な音の感じがお楽しみ頂けます。
またシリーズ接続したサウンドは
やはり音の太さが特徴的です。
Classic Style JMでも好評の
PUとシリーズ/パラレルスイッチですが、
シリーズ接続の状態でフロントPU寄り、
リアPU寄りに音作りすることができます。
例えばリードギターを弾く際、
フロントPU・リアPU両方フルテンだと
音が太すぎるので、スッキリさせるために
リアPU寄りに音作りする。
あるいは優しい音でアルペジオをしたい際、
フロント単独では煌びやかな感じがするので、
シリーズ接続の状態でフロントPU寄りに
マイルドに音作りするなど。
他にも音作りのアイディアは様々ありますので、
ぜひ一度弾いてみて、試してみてください。
4.まとめ
Sagoのビザールギターとして生まれ変わった
Curious Flat Top。

ビザールギターといえば、
見た目もサウンドも特殊なイメージがありますが、
Curiousはそうしたキャラクターにこだわりつつ
ジャンルやシチュエーションを選ばず、
長くお使い頂けるギターです。
そしてCuriousではまた別のアイディアを
試行錯誤中ですので、
完成しましたら、SNS、Blogで
紹介させて頂きます。