Sago初のセミアコモデル TD-035

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こんにちは、SagoNMG工房です。

今回、Sago初のセミアコモデルとなる TD-035を製作しました。
TD-035の特徴や一般的なセミアコモデルとの違いについて解説していきたいと思います。

削り出しのボディ

Sagoのセミアコ最大の特徴は、削り出しのホロウボディです。

通常セミアコは、トップ・バック・サイドの木材を曲げ、貼り合わせることでボディが形成されています。

Sagoではそのようなアコースティック系の製作をしておらず、ソリッドボディ用の木材・CNCでの加工でのセミアコモデルの開発を進めることとなりました。

そうしてできたのが、ソリッドモデルに使われる木材をセミアコの中空に近い状態まで削りだし、ボディトップとボディバックを貼り合わせるという、削り出しの方法です。

↓製作の様子をまとめました。

What’s TD-035?

そもそもこのセミアコモデルを製作するきっかけになったのは、MONOEYES や Art-school Ropes で活躍されているギタリスト、戸高賢史さんからのオーダーです。

TD-035の標準仕様は

ボディトップバック:ソフトメイプル
ネック:アフリカンマホガニー
指板:ホンジュラスローズウッド

という一般的なセミアコを意識した木材構成になっています。

一般的なセミアコよりも小さめのサイズで、センターブロックがあるエリア(ジョイント~テールピース)の部分までを残し、その他のエリアをホロウにしています。

フロント・リアのハムバッカーは弊社オリジナルの L(x)GHB Custom。

過去に製作した戸高さんのモデル TD-SG #001 に搭載したピックアップを大変気に入っていただいており、それを基にTD-035モデル用として改良を加えました。

低出力であるアルニコ2のマグネットを用いて、ビンテージ傾向のキャラクターを意識しつつ巻き数を若干上げることで、適度にパワーがあり、深く歪ませたとしてもフレーズが分かりやすいハムバッカーになっています。

戸高さんのモデルでは従来のセミアコをリスペクトしている部分が多く、装飾やパーツ配置なども従来のものに寄せていますが、カスタムオーダーの際には木材や装飾の変更が可能です。

以下では、削り出しだからこそできる、セミアコあるあるのお悩み解決やカスタマイズも含め解説していきます。

エレキと変わらない弾き心地

エレキギターをメインに演奏される方で、セミアコに持ち替えた際の 抱え感・弾き心地 に違和感を感じる方多いのではないでしょうか。

このSagoの削りだしの構造の大きなメリットとして「エレキギターと変わらない弾き心地」があります。

重要なポイントとして
・ストラップピン
・ジョイント
が挙げられます。

通常のセミアコはサイド材が薄いため、サイドにストラップピンを取り付けることができません。そのためジョイントの裏にピンがあることが多く、エレキから持ち替えた際に演奏に違和感が出てきます。

削りだしの場合、ストラップピンを挿したい位置の木材に厚みを残すことで、エレキギターのようにサイドにピンを配置することができます。

これにより抱えた時の位置のずれや、ハイポジションを弾く際にストラップやピンが当たってストレスになることを防ぐことができます。

またジョイント部の形状の自由度が上がり、さらにハイポジションへのアクセスを高めることもできます。

ボディバックに丸みを付ける

バインディングは木材を張り合わせたところを隠し、装飾する役割があります。

しかしTD-035ではボディバック・サイドが一体のため、バック側にバインディングを貼る必要はありません。

バック外周に丸みを付けることでより体へのフィット感が上がります。

豊富な木材から選択可能

削りだしのホロウボディでは、他のソリッドモデルと同じように幅広い種類から材を選択することができます。

カスタムオーダーの際に、エレキギター寄りのタイトなサウンドを狙ってボディ材をアルダーにしたり、アコースティックなトーンを狙ってネック材にライトサーモメイプルをお選び頂くことも可能です。

木材によっては強度等の問題が出る可能性がありますので、詳しくはSagoスタッフへご相談ください。

カスタム例

TD-035モデル 2作目となるMMP16 TD-035 Custom。

木材は全て和材で構成されており、木材の見た目を存分に生かしたビジュアルに仕上げました。

TD-035はセミアコとしては生音が鳴りすぎず、適度な低音感のあるモデルになっていますが、和材特有の柔らかい質感によって甘いトーンに磨きがかかっています。

こちらの試奏動画にて、標準仕様のTD-035 Customと弾き比べをしています。

まとめ

Sago初のセミアコモデル TD-035。

当初は設備の問題により試行錯誤をし生まれた削り出しの方法ですが、削り出しのボディだからこその恩恵もたくさんあり、セミアコあるあるのお悩みを大きく解決できるモデルを製作することができました!

最初にお話しした通り、エレキとの持ち替えに悩んでいる方にすごくおすすめなので、ぜひ新しいギターを買う際の選択肢のひとつに入れていただけると嬉しいです。

「Sago」は2004年に創立した、ギターメーカーです。
エレキギター・ベースを基本に、スタンダードなモデルや弊社プロデュースのモデル、フルオーダーまで幅広く製作をしています。
豊富なアイデアと技術で、お客様の理想の一本を製作させていただきます。

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