【オーダー紹介#3】- J’s Customギター –

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今回紹介するモデルはこちらの

Sago Concept Model J’s Custom

弊社ギターモデルを基に、カスタムされたこちらのモデルを紹介していきたいと思います。
オーダーをお考えの方もぜひ参考にしてくださいね。

モデル

今回のモデルの基になっているのは、弊社の「J’s Custom」モデルです。

数年前まではほとんど露出の無かったこちらのモデル。
Sagoでは少ないアーチトップの仕様になっており、数年前にいた海外のスタッフが得意なアーチの造形を生かしてJ’s Customを製作しました。

基本のスペックは
・セットネック
・角度付きネック
・635mmスケール
・2ハムバッカー
・ボリューム+トーン+トグルスイッチ

Sagoギターモデル

弊社でもかなり裏メニュー的なモデルなのでモデルページやオーダーシートは出ていないんですが、製作はもちろん可能ですので、お気軽にご相談ください。

今回のモデルもオーナー様のこだわりがたくさん詰め込まれた一本になっていますので、順に紹介していきたいと思います。

仕様

Sagoギター J's Custom キルトタモ

・トップ:タモ
・ボディ:ケンポナシ
・ネック:ライトサーモメイプル
・指板 :ピンクアイボリー
・エスカッション:メイプル

今回のビジュアルのポイントはやはり キルトタモ×グラデーションピンク の美しさですよね。

↑板の状態のタモなんですが、この状態からかなりの存在感を出していたので塗装後はどうなるのかと気になっていました。

タモの木肌は明るい方ですが、アッシュやメイプルに比べると少しくすんだ感じの色味をしており、仕上がりのカラーにも木肌の色味の影響が出てきます。
今回はそれがすごくマッチしていて、ピンクなのにどこかシックな雰囲気もあり…高級感もあり…。
赤系は青系に比べると明るめの色でも差異が少なく塗りやすいこともあり、濃いピンクから薄い部分まで綺麗に発色していますね。

Sagoギターモデル

さらに今回のタモは杢というより導管ごとうにょうにょと揺れているような特徴的な見た目をしており、メイプルなどのキルトやフレイムとはまた違った味を出しています。

↓見比べてみると結構違う。

そして指板に続くピンクアイボリー。

可愛い見た目のピンクアイボリーですが、結構硬くて音の立ち上がりも速く、粘りのある材で、それが反映されているのか低~中音域が強く出るように思います。希少性も高く年々鮮やかなピンクのものが減ってきていることもあり、気になる方には今のうちにゲットしておいてほしいおすすめの木材です。

実はこのピンクグラデーション×ピンクアイボリーの組み合わせは、このモデル以前にも製作していて。それがこちらのクロサワ楽器さんのオリジナルモデルなんですが↓

こちらのオーダー紹介動画をご覧いただいたことで、このカラーとピンクアイボリーにすることが決まりました。

そしてスケールは635mmにLow2Fを足した、1音下げのスケールに。
こうすることで弦を緩めることなくカポ移動のみで半音・一音下げにすることができます。

さらにオーナー様の指定でポジションマークの位置をデザインしました。可愛いですよね。

Sagoギターモデル

弦を緩めるダウンチューニングの場合、チューニングを下げるとその分ポジションマークがずれてしまいます。ですがこの仕様だとポジションマークがずれることなく低音が増えていくので、ソロでも混乱せず演奏することが可能です。

このスケールについての詳しい説明はこちら↓

今回パーツは全てゴールドで統一されており、フレットも金色のゴージャスなエボゴールドに。

Sagoギターモデル

ニッケルとステンレスの中間の硬さで、色も少し落ち着いた金色をしているので弊社のオーダーでも人気の高いフレットです。

ピックアップには弊社のL(x)GDが。

Sagoギターモデル

皆さんコイルタップって知ってますか?
ハムバッカーは2つのコイルをシリーズ配線してノイズを打ち消しあうような構造ですが、これを片方だけ鳴らすことでシングルコイルサウンドを疑似的に出すコイルタップという配線方法があります。

そのコイルタップという機能を持たせることがギターでは一般的になってきましたが、その中でハムとコイルタップしたときの音質や音量差に対して不満を感じていました。

そこで逆にタップ時のサウンドに特化したピックアップを製作してみようと思い、開発に取り組んだのがこのL(x)GDです。

見た目はハムバッカーのように見えますが、実はシングルコイルを二つ並べたダブルコイルの仕様となっています。

ただシングルを2個並べるだけでなく、マグネットの磁石の強さを変えており、ピックアップの磁石として一般的なアルニコ5とそれに比べて磁石の弱いアルニコ2を使用しています。
どちらのコイルもセレクトが可能で、アルニコ5をセレクトした場合はダブルコイル時とタップ時の音量差が少なくはっきりとしたレスポンスの良いシングルらしいサウンド、アルニコ2をセレクトした場合は音量差は大きくなりますが柔らくウォームなサウンドを奏でることが出来ます。

実験段階でアルニコ5のダブルコイルも試しましたが、強くて鋭いシングル感が残りすぎてしまったため、アルニコ2の柔らかいサウンドを混ぜることでハムとしても使用できるサウンドを目指しました。

もちろんハムバッカーのサウンドかといわれるとそうではないんですが、ハムバッカーのメリットであるローノイズとシングルのアタック感を併せ持った新しい選択肢の一つになったんじゃないかと思います。

今回のモデルのコントロールは
ボリューム、トーン、トグルスイッチになっており、トーンノブを引っ張るとコイルタップに切り替わります。

ダブルコイルのフロント・ミックス・リア、コイルタップのフロント・ミックス・リアの6サウンドを試奏しています↓

J’sカスタムはヘッド角ありのモデルのため、虎徹や麒麟にも採用されている弊社の3:3タイプのシェイプに。

バックもトップと同じくピンクのグラデーション。

ボディのトップバックはウレタングロスの艶あり塗装ですが、ヒール部分から艶消しに切り替わっており、さらさらとした弾き心地で演奏することが出来ます。

まとめ

いかがでしたでしょうか!

全体がピンクで統一されていて見た目のこだわりも強いですが、一音下げスケール・指板Rにコニカルラディアス・ヒールカットと演奏性も考えられており音色の幅もある一本となりました!

こちらのモデルはYoutubeでも紹介しているので是非チェックしてみてください!