木材フェチ必見!杢ありトップ材の楽器たちを紹介

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皆さんはキルトやフレイムといった杢の入った楽器は好きですか?

この記事を選んでいるということはきっと皆さん木材フェチなのでしょう!キルトにフレイムにフィギュアドにスポルテッドにバールにバーズアイ…。どれも違った魅力で木材一つ一つに特徴があって、製作前の板の状態を見てるだけでワクワクしてきますよね。

ということで今回は、そんな杢あり材たちを使用したギター・ベースを一緒に見ていきたいと思います!

人気の定番材から楽器としてはマイナーな材まで紹介していくのでぜひ最後までお付き合いください!

メイプル ~Maple~

学名:Acer rubrum, Acer saccharum

弊社はオーダーメイド工房として今までいろんなビジュアルの楽器を製作してきたんですが、やはりダントツで製作数が多いのがメイプルのキルト杢&フレイム杢です。楽器用の木材として流通が多く安定していることもあって、しっかりと杢の入ったものや杢の種類も多い木材になります。
トップ材に使われる杢の入ったメイプルのほとんどはソフトメイプルで、ハードメイプルよりも杢が出やすいようです。木肌も白いのでどんなカラーとも相性がよく、明るいカラーでも綺麗に発色してくれます。

Sago Style-J4 Custom (キルト)

Sago Concept Model Sonia Custom (バール)

Sago Concept Model Ove5 Custom (スポルテッド)

板屋楓 ~イタヤカエデ~

学名:Acer mono, Acer pictum

ジャパニーズメイプルとも呼ばれるように、日本で育ったメイプルです。
材質はハードメイプルに近く硬めでトップ材やネック材に適しています。フレイム杢やフィギュアド杢が多く、杢もパッキリとしており木肌もメイプルと同じように白いので、黄みがかった木肌が多い和材の中ではカラーの選択肢が多い材になります。

Sago MMP#11 Classic Style-J5 Custom

Sago Classi Style-LP Custom (フレイム)

Sagoギターモデル

栃 ~トチ~

学名:Aesculus turbinata

弊社では製作例が多い栃は、少し柔らかめで絹のような光沢のある木材です。
杢も豊富でフレイム杢やフィギュアド杢、細かいカーリーのフレイムやゆらゆらと揺れたような独特な杢のものもあります。木肌は白いものもありますが、少し黄みがかった色味の材が多い印象です。
杢が綺麗なためトップ材としての使用が多いですが、重量も軽くボディ材としても問題なく使用できます。

Sago Classic Style-J4 Custom (フレイム)

Sago Concept Model Ymir Custom (フィギュアド)

ちなみにギター・ベースでために見かけるバックアイバールは栃の木の近種で主に米国で自生しているものを指します。

Sago Concept Model Ove5 Custom (バックアイバール)

Sagoベースモデル-バックアイバール

カリン ~Karin~

学名:Pterocarpus indicus

日本に生えているバラ科の花梨とは異なる木材です。
基本的に硬く強度のある材ですが、環境によって気質が変化するため材質に個体差が出ます。硬く交錯木理のため刃物ややすりでの加工は大変です。杢も豊富で木肌は深い赤褐色から~オレンジ色と色味にも個体差があります。

Sago Full-Order (フレイム)

Sagoギター-フルオーダー

Sago Artist Model 雪風 Custom (バール)

↓のように心材と辺材が赤と白ではっきりと分かれるので、両方が入り混じったバール杢は紅白とも呼ばれています。この特徴的な見た目により、ペンなどで人気のバール杢ですが、ギター・ベースのトップ材やピックガードとしても使用できます。

ブビンガ ~Bubinga~

学名:Guibourtia spp

カリンと似て重く硬く、赤褐色の木肌をしていますが別種の木材です。
基本的にはまっすぐな木目をしていますが、特徴的な玉杢やキルト杢、フレイム杢、バール杢など様々な杢目が現れる木材です。
特に海外のメーカーで多く使用されている印象で、トップ材にはもちろんですが、指板に使用されることもあるようです。

Sago Full-Order (ポメル)

ポプラ ~Poplar~

学名:Populus nigra

軽くて柔らかめの材。バスウッドに近い特性で杢の無いものは比較的安価なギターやベースでのボディ材に使用されることがあり、木肌は白く木目が目立ちにくいため塗りつぶしの塗装がなされることが多い木材です。
その反面、バール杢は希少なトップ材として使われます。バールとフィギュアドとフレイムが入り混じったようなエキゾチックな杢はナチュラルでもカラーでも映えます。

Sago Classic Style-J4 (バール)

朴 ~ホオ~

学名:Magnolia Obovata

栃と同じように少し柔らかめの木材ですが、軽さは栃よりも軽いような気がします。
あばれや割れは少なく、心材は緑っぽくくすんだ色をしていますが時間がたつと強い緑褐色になっていきます。辺材はグレーっぽい薄い色味で割とはっきり色味が分かれています。主に縮杢や玉杢、バール杢が出ます。

Sago MMP#16 Artist Model TD-035 (縮杢)

アッシュ ~ash~

学名:Fraxinus

硬く粘りのあるアッシュは、木材の中でも高い耐久性と耐衝撃性を持っています。
一般的にアッシュと表記されている場合のほとんどは “ホワイトアッシュ” で、重量があり、芯のある低音とクリアな高音が特徴のため、ベースに多く使用されています。ギターとも相性がよく、鋭いアタックのレスポンスのいいサウンドになります。
同じ種で産地の違う “ライトアッシュ” は高域のヌケがよいカラッとした明るめのサウンドが特徴で、シングルコイルとの相性が抜群です。

Sago Artist Model (ホワイトアッシュ)

Sago Classic Style-T Custom(ライトアッシュ)

栗 ~クリ~

学名:Populus nigra

皆さんもよく見かける実がなる栗の木です。
導管が太くアッシュに特徴が近い材で、音の傾向も近いです。シングルコイルだけでなくハムバッカーとの相性も良くて、ほどよい高音感のあるおすすめの材です。木肌は少しくすんだ黄色をしており、ナチュラルで仕上げても品のある見た目になります。杢は意外とはっきりとしており縮杢やフレイム、フィギュアドのような模様が出ます。

Sago Artist Model 神楽 -参- Custom (フレイム)

Sagoギターアーティストモデル

Sago Concept Model Aldila5 Custom

梻 ~タモ~

学名:Fraxinus mandshurica

アッシュと同じモクセイ科トネリコ属の和材で、強度と粘りのある材です。
栗やアッシュのように導管は太くはっきりしており音の傾向も似ています。色味は少しくすんでいるが栗よりは明るいものが多い印象です。
メイプルのようなキルトやフレイムとは違い、杢というより導管がゆらゆらとした特徴的な見た目をしています。

Sago Concept Model J’s Custom (キルト)

Sagoギターモデル

オバンコール ~Ovangkol~

学名:Guibourtia ehie

特にアコギのサイドバックとして使用されることが多い材です。
特徴はローズに近く、重く硬いのでボディ材というよりはトップや指板、ネックへの使用が向いています。
杢が出ているものもありますが、木目に黒い縞が入っているのでプレーンでも渋めのカッコいい仕上がりになります。

Sago Classic Style-LP

Sagoギターモデル-オバンコール

ウェンジ ~Wenge~

学名:Millettia laurentii

茶色と黒のコントラストのある木目が特徴的な木材。
指板やネック、トップ材として使われることが多く、硬くて耐久性があります。
板目だとはっきりとした山の形をした典型的な木目が、柾目だと黒と茶色の細かいストライプ状の木目になり、木取りの仕方によって印象が大きく変わります。

Sago Concept Model Sonia

黒柿 ~クロガキ~

学名:Diospyros kaki

柿の木の中で、一部黒い模様が出ているものを黒柿といいます。
昔から日本の木工品で重宝されてきた材で、目は詰まっており硬さもありますが同じカキノキ化のエボニーほどは硬くありません。
水墨画のような独特な雰囲気が人気の材ですが、虫食いや脆く朽ちている部分も多いため製作時の木取りには神経を使います。
なのでしっかりと表面を保護するウレタン塗装を弊社ではおすすめしています。

Sago Classic Style-J4

まとめ

いかがでしたでしょうか!
ギター・ベースのトップ材として人気の材から和材なども紹介しました!

皆さんの好みの材は見つかりましたか?
といってもまだまだ紹介したい木材達や製作例がたくさんあるので、ぜひ第二段も楽しみにしていてくださいね。

「Sago」は2004年に創立した、ギターメーカーです。
エレキギター・ベースを基本に、スタンダードなモデルや弊社プロデュースのモデル、フルオーダーまで幅広く製作をしています。
豊富なアイデアと技術で、お客様の理想の一本を製作させていただきます。