ストラトタイプを5種類比較してみた!アルダー・カーボン・和材

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こんにちは、SagoNMG工房です。

今回のブログでは、
ジャズベースタイプ10種類比較に引き続き

エレキギターの代表的なストラトタイプを5種類。
スタンダードなアルダー、カーボン、和材など
様々なSagoモデルで比較していきたいと思います!

今回比較する5モデルはこちら

  1. Sago Classic Style-S
  2. Stem Sonia
  3. Sago Sonia Carbon Neck Custom
  4. Sago Sonia 和材 Custom
  5. Ximera Moxino


ボルトオンジョイント、Cシェイプネック、3つのピックアップ、5Way Switchなど共通していますが、実際に音はどのような違いがあるのでしょうか?

1. Sago Classic Style-S

1本目はSagoのStyle-Sモデル。

基本的な設計はストラトキャスターと
同じですが、ネックにサーモウッドを
採用しています。

ローステッド加工と意味は同じで
無酸素の状態で200度の高熱処理で
乾燥させることにより吸湿性が低下し
高い安定性を与えることができます。

つまりサーモウッドをネック材に活用すれば、
日本のような四季の温度湿度変化が激しい環境でも
ネックが曲がりにくく(反りにくく)、
安定して使うことができます。

Sagoはサーモウッドを
世界初めて楽器に採用しました。

>>サーモウッドについて

ボディはアルダー、
指板はインドローズということもあり、
ネック以外はスタンダードな木材にしています。

またピックアップ(以下PU)は
Sago工房で製作しているL(x) STを
SSSのレイアウトで搭載。

サーモウッドによる、少し角が取れたサウンド、
そしてL(x) STによる立ち上がりの速さ、
歯切れの良さを感じてもらえるのではないでしょうか?

このSago Classic Style-Sを基準に、
以降のモデルについて解説します。

2. Stem Sonia

SagoとSeedの中価格帯のブランドStem。
20万台でセミオーダーが出来るブランドです。

下記で紹介するSagoブランドのSoniaから
基本的な設計を継承しています。

ボディ材はアルダー、
ネック材はハードメイプル、
指板材はインドローズという定番の木材選定です。

通常のストラトタイプと大きく違う点は
センターPUをリア寄り(ブリッジ寄り)に
配置していること。

フロントPU & リアPUによるハーフトーンは
ピックアップの位置に距離が生まれることにより、
立体的で、澄んだ音色が特徴的です。

またセンターPU単独だと、
シングルコイルPUのリアポジションのような
ニュアンスで鳴らすことができます。

なおピックアップはSago Soniaのレシピを元に
海外工場で製造したもの(L (x) ST Lite, HB Lite)
を搭載しており、適度な出力でバランス
よく鳴らせるところを再現しております。

SoniaのリアPUにはハムバッカーPUを
搭載していることもあり、
シチュエーションによって使い分けができる
ピックアップレイアウトにしています。

Stemブランドでは
ピックガード、カラー・フィニッシュ、パーツカラー
のカスタムが可能です。

基本仕様を固定することで
木工作業をまとめて製作をすることができ
Sago Soniaから10万円ほどの
コストダウンを可能にしています。

2本目の持ち替えとして、本格的なモデルを探している方におすすめのブランドです。

3. Sago Sonia Carbon Neck Custom

Sago Soniaをカーボンネックにカスタムしたこちらのモデル。

ネック・指板材、ナットにもカーボンを採用。

カーボンネック最大の魅力は
なんと言っても一度セッティングしたベストの
ネックコンディションを環境変化に
全く左右されず、維持し続けること。

木材のネックと同様、
トラストロッドを仕込んでありますので、
通常通りネック調整できますよ。

ネックを中空構造し、重量を木材のネックと
同じにすることで、木材の鳴りに近づけています。

カーボンネック

ボディはアルダー。
電装系のパーツ類を加味せず、
マテリアルとして比較すると、
カーボンネックは全体的に均一な鳴りに感じます。

またフレットをステンレスにしていることもあり、
アタックのガチっとした感じが
際立っており、立ち上がりが
しっかりと分かります。

ただベースのネックと比べると
質量がベースのネックよりは
小さくなることもあり、
カーボンと木材とで、
まるで音が違うようには感じません。

木材と似たようなニュアンスで
ネックの安定性が高い、と考えると
カーボンネック、非常に魅力的ではないでしょうか?

動画内ではバッキングが中心となりますが、
同じフレーズ、同じピックアップポジションで、
フレーズごとにギターのアンプタイプや音作り
(クリーン、クランチ、ドライブ、アンプの設定は同じ)
を変えています。

国産のカーボンネックを
様々な角度で比較できますので、
動画をぜひご覧ください。

4. Sago Sonia 和材 Custom

続いては、全て和材で構成されたこちらのモデル。

マテリアルは山桜ボディ、楢ネック、樫指板となっています。

ボディ材:山桜
桜の木は音響的に良質で、
スピーカーのコーンなどにも活用されています。
ボディ材にすると結構ずっしりとして、重みを感じます。

ネック材:楢(なら)
メイプルとマホガニーの中間ぐらいのニュアンスで、
和材の中でも強度面で安心して使えることもあり、
和材のネック材では定番になっています。

指板材:樫(かし)
樫は指板材に求められる硬さが
しっかりある材で、
和材のオーダーで実績が多いです。

和材全体の印象として、
柔らかさが挙げられますが、
新品の楽器に感じされる
角のある音が軽減させている印象です。

ストラトタイプで求められる
立ち上がりの速さ、
アタック感は十分あり、
音に品が感じられます。

特に本モデルは山桜ボディに
重量感があることから、
立ち上がりの速いサウンドながら、
低音に力強さを感じます。

煌びやかなクリーントーンはもちろん、
しっかりとドライブさせて
ロック系のジャンルも似合います。

狙いのサウンド、
そして和材ならではのルックスも魅力ですので、
オーダーの際にはぜひ和材も選択肢に入れてみてください。

5. Ximera Moxino

SonicとSagoのコラボブランドであるXimera。

ベースのArxiのボディをモチーフに
ストラトタイプのギターとして
開発したのが Moxinoです。

デザイン・木工・塗装をSagoが担当。
パーツ選定・電装系・セットアップをSonicにて担当しています。

ボディにはサーモアルダー。

サーモウッドはどちらかというと
ネック材に使われていることの
多いイメージですが、ボディ材に
採用することで、低音から高音まで
バランスよくしっかり鳴ります。

1〜6弦でコードを鳴らすと
一体感のあるサウンドであることが体感できます。

ネック材はハードメイプル。

指板材はリッチライト。

以前は木材の輸入規制にて
違う木材を使用していましたが
現在はリッチライトを使用しています。

エボニーに代わる指板材として
近年ギター製作に使われる人口素材です。
パルプとフェノール樹脂から作られており、
マテリアルとして個体差がなく、
強度面、価格面で安定していることが特徴です。

人工素材のため、木材のように季節による
温度・湿度変化による影響を受けにくく、
ネックコンディション維持に適しています。

サウンドの要となるピックアップは
Sonic製のJupiter Pickupを搭載。

ビンテージスタイルを基調として、
サーキット類のバランスを考慮して
設計されています。

立ち上がりが速いのに粘りもあるという
不思議なサウンド。

特にクランチ、ドライブ時に
音の余韻が適度に感じられるところが、
Sagoブランドとはまた違った
サウンドキャラクターに思います。

他にもコニカルラディアス(円錐指板)や
Sonicオリジナルのオイルボーンナット、
Sonicオリジナルトレモロ:Stable-Tune Tremolo Kitに、
Gotoh製ペグの最上級モデル:SGS510のMG-T(Magnum Lock Trad)など、

これらの組み合わせによって
チューニングが狂いにくく、
演奏性の高さを実現しています。

またトーン下のトグルスイッチ(ターボスイッチ)に
よってネックPUとセンターPU、
またはセンターPUとブリッジPUを
シリーズ接続にし、擬似的な
ハムバッカーとして機能します。

通常はストラトタイプと同じ
S-S-Sレイアウトからワンタッチで、
H-S-Hレイアウトのギターへと変身。

動画内、ドライブサウンドにて、
リアポジションのシングルコイルと
ハムバッカー状態で比較して聴くことができます。

シングルコイルの状態でも
十分に迫力がありますが、
ハムバッカー状態にすると、
出力が上がり、低音が持ち上げられるため、
よりパワフルになります。

守備範囲が広いストラトタイプのギターですが、
ターボスイッチによって、
よりバリエーションを広げて
ギターのサウンドを表現できます。

なお2ブランドの特徴的なギターを
ラムトニックカンパニーの竹田社長が
セットアップすることで、
Ximeraの音が完成し、
高品位で演奏性の高さを実現しています。

竹田社長のギター作りのスピリッツを
リスペクトしながら、Sagoのギター作りも
ブラッシュアップしていきます。

6.まとめ

改めて比較してみましたが、
各モデルによる音の違い、
感じて頂けましたでしょうか?

エレキギターはプレイスタイルが
人によって異なり、アンプやエフェクター類も
豊富にありますので、同じストラトタイプの
ギターを求めるにも、
目指すサウンドキャラクターには違いがあります。

ネックだけを取り出してみても、
定番のハードメイプル、
サーモウッド、カーボン、
和材とバリエーションがある中で、
音にどのような違いがあるのか?

やはり実践的な音で比較することが
一番ですので、比較動画でぜひ
参考にして頂けたら幸いです。

今後もSagoでは塗装や演奏性はもちろん、
サウンドについて研究を続けていきたいので、
気になることがありましたら、
ぜひコメント頂けたら幸いです。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

「Sago」は2004年に創立した、ギターメーカーです。
エレキギター・ベースを基本に、スタンダードなモデルや弊社プロデュースのモデル、フルオーダーまで幅広く製作をしています。
豊富なアイデアと技術で、お客様の理想の一本を製作させていただきます。

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