セミホロウモデル特集 

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名称にもある通り「ホロウ」は英語で「空洞」という意味で、ボディ内が中空構造になっているものを指します。その中空構造の違いによってセミソリッド、セミアコ、フルアコと名称が変わっていきます。

今回はボディの構造や、弊社の特徴的なホロウモデルのサウンド・特徴について解説していきたいと思います。

ボディ構造

始めにボディの構造について簡単に紹介していきます。

・ソリッドボディ
・セミソリッド
・セミアコースティック
・フルアコースティック
・アコースティック

ソリッドボディやセミソリッドの場合
厚みのあるボディ材からシェイプを切り出し形成します。
同じように製作し、軽量化やサウンドに空気感を持たせるために一部をくりぬいたものをセミソリッドと呼びます。

セミアコースティックやフルアコースティックの場合
トップ、バック、サイドの板を貼り合わせて製作します。
アコースティックと同じ構造ですが、マグネットピックアップが載っているものをセミアコ、フルアコと呼びます。

削りだしのホロウボディ?

弊社ではセミソリッドとセミアコースティックを掛け合わせた、
削りだしのホロウモデルを製作しています。

先ほど紹介したフルアコやセミアコの構造ではなく、ソリッドモデルに使われる木材をセミアコの中空に近い状態まで削りだし、ボディトップとボディバックを貼り合わせることでホロウボディを形成しています。

実際の製作の様子を動画で解説しています↓

どんな特徴・メリットがあるの?

セミアコで一般的に使用される木材は合板ですが、削りだしのホロウモデルはソリッドモデル同様に、幅広い木材の中から選ぶことができます。
マホガニーバック・メイプルトップなど自分好みの組み合わせにしたり、特徴的な木材を使用してビジュアルにこだわったモデルを製作することも可能です。

バインディングを貼る必要がないので外周Rの加工が可能です。バック面に丸みを付けることで抱えた時に体にフィットしやすくなります。

さらにボディサイドにストラップピンやジャックを配置することができるので、エレキからの持ち替えにも違和感なく対応ができます。

Sagoのホロウモデルを5つ紹介していきます。

Artist Model – TD-035 –

まずは弊社がこの削りだしのセミホロウを製作するきっかけになったのがTD-035モデルです。

MONOEYESの戸高真史さんからオーダーをいただき、弊社で初のセミアコを製作することになりました。

TD-035では、センターブロックがあるエリア(ジョイント~テールピース)の部分までを残し、その他のエリアをホロウにしています。

一般的なセミアコの小さめのサイズで、トップバックにアーチを付けています。

ピックアップは戸高さんに以前からお使いいただいている、Sago TD-SGのハムバッカーのレシピを元に、低出力であるアルニコ2のマグネットを用いてビンテージ傾向のキャラクターを意識しつつ、巻き数を若干上げました。

こちらのモデルの詳細は↓で解説しています。

また木材を変更やパーツ類を変更するカスタムモデルも人気で、
こちらのモデルは製材時に出る端材を組み合わせてデザインしています。

木材は張り合わせることで強度が上がり、反りにも強くなるという特性があり、サウンド面では木材同士の特徴が平均化されていきます。
今回使用した木材は全て和材ということもあり、和材特有の柔らかいトーンに仕上がりました。

サウンドはこちら↓

Concept Model – Curious Arched Top –

Curiousのボディトップをアーチ加工したモデル。

こちらのアーチトップではボディのほぼ全体がホロウ構造になっており、ホロウ感が強くメロウで高級感のあるサウンドが特徴です。さらに小ぶりなボディによってほどよく低音が抑えられ、バンドサウンドでも抜けよく馴染みます。

ボディ内部を大きく削り込んだ後、センターブロックを橋のように取り付けています。バック面にも空間が開いているのでTD-035よりもホロウ面積は大きく、箱鳴り感も強いです。

通常のセミアコはホロウ部とキャビティの境がありませんが、Curious Arched Topではキャビティ部分を小部屋にして導電塗料を塗ることで、ノイズ対策をしています。

これは削りだしならではの構造ですね。

キャビティ部分はバックパネルなので、メンテナンスも簡単です。

和楽器バンドのギタリスト、桜村眞さんのカスタムモデル製作の様子を動画にまとめました↓

※桜村さんのモデルでは材がフレイムメイプル、バック面もアーチにカスタムされています。

こちらのCuriousモデルはクロサワ楽器ミーナ天神店さんにてお取り扱いいただいています。
お近くの方はぜひ試奏してみてください!

Concept Model – Curious Flat Top –

Curiousはビザールギターがテーマのモデル。

2023年より、新たな仕様に生まれ変わりました。

レギュラースペックではボディトップ・バックに欅を採用しています。
欅は力強いミドルとアタックが特徴の重めの木材ですが、セミホロウのモデルとの相性も良く、ホロウ構造で犠牲になりやすい音の輪郭や芯を補うことができます。

ボディ左部分を大きく削り、右上の角部分もホロウ構造としていますが、Curious Arched Topよりもソリッドボディの割合を多く残しました。

さらにコントロール部分のザグリをあえて大きめに削ることで、サウンド面ではホロウ感を強め、カスタムオーダーではコントロールの自由度を上げています。

ピックアップにはJMタイプを搭載し、Parallel / Series切り替えが可能です。
またSeriesでは片側のボリュームがメインボリューム、もう片側がブレンダーの役割となりSeriesのサウンドでありながら微調整ができます。

面白い仕様なので是非こちらの解説動画をチェックしてみてください↓

Artist Model – Buntline 6266 –

ハンブレッターズ、ムツムロアキラさんのアーティストモデル。

スワンプアッシュボディ、サーモメイプルネック、ローズ指板を採用し、
Sagoのオーダーでもご好評頂いているテレキャスタイプのL(x) TLのピックアップを搭載しています。

ハウリングの防止や、ソリッドギターらしい芯のあるサウンドを狙いとする為、ホロウのエリアはSホールのところのみの最小限にしています。
適度なエアー感で、バンドのギターボーカルの方に特にオススメのモデルです。

Buntline 6266はSeedブランドでもスチューデントモデルとして販売しています。

またカスタムオーダーとしても人気があり、
どんなカラーとも相性が良いのでカラーのみの変更などたくさんのオーダーをいただいています。

ふるさと納税でもオーダー可能なので気になる方はチェックしてみてください!

Artist Model – 時雨 –

和楽器バンドのギタリストである桜村眞さん(和楽器バンド:町屋さん)のアーティストモデル。

こちらは7弦のギターモデルで、さらにフレットを低音弦に2フレット伸ばしているので7弦の開放がLow-Aとかなりの音域を備えたモデルとなっています。

7弦ギターによる重低音ももちろん魅力的ですが、ピックアップやブリッジが載っている部分以外を削っておりホロウ面積が広いので、クリーントーンではしっかりエアー感が感じられ、品のあるサウンドになっています。

フロント:L(x) P-90
センター: L(x) JM
リア: L(x) HB

とライブ1ステージ1本のギターで完結するを体現する仕様です。

7弦でホロウモデルということ珍しいですが、ジャズの演奏も考慮した設計にしています。

まとめ

TD-035を製作して以来、ホロウモデルのオーダーも増え、試行錯誤をしながら製作を続けています。

また、今回紹介したホロウモデルのように、木材・塗装・木工加工・電装系など細かい部分にもこだわることが出来るのがSagoのオーダーの強みです。

今後も新しいモデルの製作を続けていきますので、ぜひお楽しみにしていてください!

「Sago」は2004年に創立した、ギターメーカーです。
エレキギター・ベースを基本に、スタンダードなモデルや弊社プロデュースのモデル、フルオーダーまで幅広く製作をしています。
豊富なアイデアと技術で、お客様の理想の一本を製作させていただきます。

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